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2011/06/10

30代と40代の作業員二人は放射性物質を吸い込むなどの内部被ばくが80%以上

東電社員3人から高い被ばく線量…保安院会見
 東京電力福島第一原子力発電所の30代と40代の男性社員2人が緊急作業時に認められる被曝量の上限250ミリ・シーベルトを超えた問題で、東電は10日、さらに50代の男性社員1人について上限を超えた恐れが高いと発表した。

 30代と40代社員の被曝量は678ミリ・シーベルトと643ミリ・シーベルトと確定した。

 厚生労働省は同日、労働安全衛生法違反で同社に是正勧告した。今後の作業で同様に限度を超えて被曝した作業員が出た場合、書類送検も検討するとしている。

 東電によると、50代社員は3月11~14日にかけて、当直長として3、4号機の中央制御室で事故対応などにあたり、15日以降も事故対応拠点の免震重要棟で勤務していた。既に103ミリ・シーベルトの体外被曝が判明しており、今後、体内被曝量の精密な測定を行う。今のところ、健康に異常はないという。

 運転員だった30代と40代社員が多量に体内被曝していることが先月下旬に判明。他の運転員を検査したところ、当直長も甲状腺に多量の放射性ヨウ素を取り込んでいた。

 短時間に500ミリ・シーベルトを超えて被曝すると、血液異常などの急性障害が起きる可能性がある。一方、体内に取り込んだ放射性物質によって長期間、被曝が続くと、将来、がんになる確率が高くなると考えられている。

(2011年6月10日21時10分 読売新聞)






運転員 極めて高い被ばく量
6月10日 19時35分
東京電力福島第一原子力発電所の事故で緊急時の限度を超える被ばくをしていた2人の運転員は、その後の詳細な検査の結果、それぞれ推定で678ミリシーベルトと643ミリシーベルトという極めて高い被ばく量だったことが分かりました。さらに50代の男性作業員1人が新たに限度を超えている疑いがあるということです。

福島第一原発の事故で、3号機と4号機の中央制御室で働いていた30代と40代の2人の男性運転員が、緊急時の限度の250ミリシーベルトを超える放射線に被ばくをしていたことが、3日に明らかになりました。

千葉市にある放射線医学総合研究所で行ったその後の詳細な検査の結果、それぞれ推定で、30代の運転員が678ミリシーベルト、40代の運転員が643ミリシーベルトという、いずれも緊急時の限度の2倍以上に当たる極めて高い被ばく量だったことが分かりました。

2人とも、放射性物質を吸い込むなどの内部被ばくが80%以上を占めるということです。

この問題で、2人は、厚生労働省の調査に対し、「3月12日に水素爆発が起きた直後には、放射性物質の吸い込みを防ぐマスクを装着せずに作業を行っていた」と話しているということです。さらに、50代の男性作業員1人の体内から新たに高い値の放射性ヨウ素が検出され、被ばく限度を超えている疑いがあることが分かり、精密検査を行っているということです。

経済産業省の原子力安全・保安院は、10日、2人の運転員の放射線量を管理できなかったことは遺憾だとして、東京電力を厳重に注意するとともに、原因や再発防止策を17日までに報告するよう指示しました。






被ばく量、最大678ミリシーベルト=東電2社員、限度2倍以上-福島第1原発 
福島第1原発事故で、東京電力は10日、多量の内部被ばくが判明した30代と40代の男性社員2人について、外部被ばくと合わせた総被ばく量がそれぞれ678.08ミリシーベルトと643.07ミリシーベルトだったと発表した。厚生労働省が緊急時の特例として引き上げた限度250ミリシーベルトを2倍以上超過した。

 また、同社は新たに、地震発生時に3、4号機の当直長だった50代の男性社員の甲状腺から895ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたと発表した。当直長も限度を超える恐れがあるとみて、放射線医学総合研究所(千葉市)で詳しく調べる。3人とも健康診断の結果、異常は見つかっていないという。

 東電によると、放医研の線量評価の結果、30代の社員が外部被ばく88.08ミリシーベルト、内部被ばく590ミリシーベルト、40代社員が外部103.07ミリシーベルト、内部540ミリシーベルトと判明。5月に入ってからの被ばく量が一部加算されておらず、さらに増える可能性があるという。(2011/06/10-20:10)


http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&rel=j7&k=2011061000774







保安院、東電を厳重注意 社員の被曝限度超「大変遺憾」
2011/6/10 19:20
 経済産業省原子力安全・保安院は10日午後、東京電力の男性社員2人が今回の事故に限って適用される国の限度量(250ミリシーベルト)を超えて被曝(ひばく)していたことに関し「管理できなかったことは大変遺憾」として東電を厳重注意したうえで、原因追及と再発防止策を作成し、17日までに報告するよう指示した。

 東電の保安院への報告によると、10日に確定した社員2人の被曝線量はそれぞれ678ミリシーベルトと643ミリシーベルトで、限度量の2倍を超える。東電は健康への影響はないと報告しているが、10日記者会見した西山英彦審議官は「一時的にはそういう判断があったと思うが、この2人の健康については国としてよくフォローアップして確認していかなければならないと考えている」と述べた。

 また、新たに内部被曝線量の高い男性社員がもう1人確認されたが、限度量を超えているかどうかは現時点で確認できていないという。〔日経QUICKニュース〕







2011年6月3日21時24分
東電2社員の被曝量、基準超え 長期的健康への影響懸念
東京電力の男性社員2人が福島第一原発で事故後に多量の放射性物質を体内に取り込んだ問題で、東電は3日、2人の総被曝(ひばく)量が今回の緊急作業で国が認める上限の250ミリシーベルトを超える評価結果になったと発表した。総被曝量は最低でも280ミリシーベルトを上回り、最大では650ミリシーベルトを超えたという。2人に異常は見られないが長期的な健康への影響が懸念されている。

 東電によると、被曝した男性は30代と40代で原発運転員。地震が起きた3月11日から中央制御室や免震重要棟などで作業していた。

 放射線医学総合研究所(千葉市)に依頼して内部被曝量を評価した結果、30代男性は210~580ミリシーベルト、40代男性は200~570ミリシーベルトになった。体外被曝量は30代男性が73.71ミリシーベルト、40代男性は88.70ミリシーベルト。合計すると低い値でも250ミリシーベルトを超えるのは確実となった。厚生労働省は近く立ち入り調査し、同社に是正勧告を出す方針だ。

 2人は3月13日に体内に取り込んだ放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれるのを防ぐ安定ヨウ素剤を2錠飲んだが、その後は飲んでいなかった。今回のような長期作業は想定外で、原子力安全委員会が継続的にヨウ素剤を服用するよう求めたのは3月19日と遅かった。

 厚労省によると、当時、同様の作業をしていたのは130人。東電の検査で内部被曝量が20ミリシーベルト超は52人。うち3人は100ミリシーベルトを超えた。作業員の精密検査を進めるという。(坪谷英紀)