ホワイトビーチに停泊する米海軍の強襲揚陸艦エセックス(左奥)。手前は海上自衛隊の掃海艦=3日午後3時半ごろ、うるま市
琉球新聞
日米共同演習始まる ホワイトビーチに艦船集結
2010年12月4日
自衛隊と米軍による日米共同統合演習(実動演習)が3日、8日間の日程で沖縄など日本各地の基地と周辺の空海域で始まった。過去最大規模となる。米韓合同軍事演習を終えた米原子力空母「ジョージ・ワシントン」が加わるほか、韓国軍が初めてオブザーバー参加し、朝鮮半島情勢が緊迫化する中、日米韓3カ国の結束をアピールする狙いがある。
県内では米軍と自衛隊共同の弾道ミサイル対処訓練が初めて実施される。
2日夜から3日未明にかけ米軍のパトリオット・ミサイル(PAC3)関連車両約60台が嘉手納基地から国道58号など公道を通り、宜野湾市の普天間飛行場やうるま市のキャンプ・コートニーに移動した。
うるま市勝連のホワイトビーチ周辺には、米海軍佐世保基地(長崎県)所属のドック型揚陸艦「デンバー」や「トーテュガ」、強襲揚陸艦「エセックス」、海上自衛隊の護衛艦など20隻超の艦船が集結していた。沖縄や周辺ではほかに、海上作戦や航空作戦、捜索救助活動などが予定されている。
1986年度から始まった実動演習は今回で10回目で、北朝鮮による韓国砲撃より以前から計画されていた。陸海空自衛隊から約3万4千人、艦艇約40隻、航空機約250機、米軍から約1万人、艦艇約20隻、航空機約150機が参加。日本が武力攻撃を受けた想定で日米が共同で対処する。
中心となる弾道ミサイル防衛では、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載した日米のイージス艦が能登半島沖の日本海に展開し、北海道から沖縄までの各基地にPAC3などを配備。迎撃態勢を取り、弾道ミサイルの探知、追尾などに必要な連携を確認するが、ミサイル発射などはない。
沖縄本島など南西諸島の太平洋側では、離島への侵攻に対処する島しょ防衛の訓練を実施。ジョージ・ワシントンや海上自衛隊の“空母型”のヘリコプター搭載護衛艦「ひゅうが」などを中心に、周辺海域や空域で対潜水艦作戦や防空作戦を訓練する。