2010.12.27 13:09
【ソウル=加藤達也】韓国国土海洋省は27日、来年度の業務計画をまとめ、日韓が領有権を争っている竹島(韓国名・独島)や北朝鮮による砲撃を受けた延(ヨン)坪(ピョン)島など10カ所の港を「国家管理港」とすることを明らかにした。
聯合ニュースによると、竹島では防波堤施設を増強する方針で、韓国による「実効支配」を強調、日本の領有権主張に対する牽制(けんせい)も込めた措置とみられる。
【ソウル=加藤達也】韓国国土海洋省は27日、来年度の業務計画をまとめ、日韓が領有権を争っている竹島(韓国名・独島)や北朝鮮による砲撃を受けた延(ヨン)坪(ピョン)島など10カ所の港を「国家管理港」とすることを明らかにした。
聯合ニュースによると、竹島では防波堤施設を増強する方針で、韓国による「実効支配」を強調、日本の領有権主張に対する牽制(けんせい)も込めた措置とみられる。
【ソウル=仲川高志】韓国陸軍と空軍は23日、北朝鮮の軍事挑発を想定した大規模な合同訓練を、北朝鮮との軍事境界線に近い韓国北部・京畿道(キョンギド)抱川(ポチョン)で行った。
海軍も同日、韓国北東部・江原道(カンウォンド)巨津(コジン)港沖の日本海で海上砲射撃訓練を実施した。
一方、北朝鮮メディアによると、北朝鮮の金永春(キムヨンチュン)人民武力相は23日、平壌(ピョンヤン)での演説で「敵が意図的に情勢を戦争の瀬戸際へと追い込んでいることに対応し、必要な場合に核抑止力に基づく正義の聖戦を開始する万端の準備を整えている」と反発する姿勢を示した。
ギブス米大統領報道官は韓国軍の大規模訓練を前にした22日の記者会見で、「事前に十分広報され、透明かつ自衛目的の演習は、北朝鮮側の反応を呼びうるものではない」と述べた。米国の支持を明確にし、北朝鮮をけん制したものだ。
(2010年12月23日21時45分 読売新聞)
北朝鮮による韓国ヨンピョン島への砲撃から1か月を迎えた朝鮮半島情勢について、中国政府は、依然として敏感で複雑だという認識を示し、関係国に対し、中国が提案した6か国協議の首席代表による緊急会合に応じるよう呼びかけました。
中国外務省の姜瑜報道官は23日の定例記者会見で、北朝鮮によるヨンピョン島への砲撃から1か月を迎えた朝鮮半島情勢について「依然として、高度に敏感で、複雑だ。関係各国は冷静さを保ち、責任ある態度をとってほしい」と述べ、厳しい状況が続いているという認識を示しました。そのうえで「朝鮮半島情勢を巡る問題を、少しでも早く、対話と交渉の場に戻すため、各国は、中国の呼びかけに応じてほしい」と述べ、関係国に対し、中国が提案している6か国協議の首席代表による緊急会合に応じるよう求めました。
中国は、韓国軍がこの日行った北朝鮮との軍事境界線に近い演習場での大規模な訓練が、北朝鮮を刺激するおそれもあるとみて、南北双方に自制を求める姿勢を示しています。
北方限界線(NLL=Northern Limit Line)は、黄海における韓国と北朝鮮の境界線。
23日に北朝鮮の砲撃を受けた延坪島(ヨンピョンド)はNLLの南側にある。北朝鮮はこの境界線を認めていない。
朝鮮戦争の休戦協定(1953年7月)では海上の境界線が定められなかったため、翌月に米軍主導の国連軍が独自にNLLを設定した。
北朝鮮はこれに反発し、70年代半ば以降船舶によるNLL越境を繰り返してきた。99年9月には、NLL設定は「他人の家の庭にひそかに線を引く白昼強盗のような行為」だったと非難したうえ、NLLの南方に「海上軍事境界線」を独自に設定。その北側を「領海」であると宣言した。
北朝鮮がNLLに強く反発するのは、外貨獲得源であるワタリガニの漁場が付近にあることや、米国を境界線再設定のための平和協定交渉に引き出す思惑のためと指摘されている。
NLLと海上軍事境界線に挟まれた海域では、99年6月以降、北朝鮮軍と韓国軍の艦艇がたびたび交戦し、今年3月には韓国海軍哨戒艦が北朝鮮の魚雷攻撃で沈没、乗員46人が死亡する事件が起きた。(蒔)
(2010年11月27日10時14分 読売新聞)
【ソウル=竹腰雅彦、仲川高志】北朝鮮による延坪島(ヨンピョンド)砲撃を受け、韓国政府は、黄海の北方限界線(NLL)に近い韓国領5島に配備する戦力の増強と、北朝鮮の武力挑発に対して積極的に対応できる交戦規則の見直しに着手する。
同地域に配置する海兵隊員の削減計画は白紙撤回され、国防予算を増やして、前線地帯での北朝鮮の奇襲攻撃などに対する対応強化を図る構えだ。
「(北朝鮮の特殊部隊など)非対称戦力と局地戦に備え、世界最高水準の装備で徹底的に対応せよ」
韓国の李明博(イミョンバク)大統領は25日、緊急招集した安保経済点検会議で、延坪島や白リョン島(ペクリョンド)(リョンは令へんに羽)など黄海5島の戦力増強についてこのように指示した。韓国政府関係筋によると、会議では、「安保分野の多角的な改善・補完対策の推進」が確認された。
(2010年11月27日10時04分 読売新聞)
朝鮮戦争の休戦協定締結直後の1953年8月、同協定で南北間の海上境界線が定められなかったため在韓国連軍が黄海上に独自に設定した。99年6月、NLLを越えて侵入した北朝鮮警備艇と韓国軍艦艇の間で銃撃戦が起き、北朝鮮側30人以上が死亡。北朝鮮は同年9月、NLLは無効だとしNLL南方に「海上軍事境界線」を一方的に宣言した。2002年6月にも南北の警備艇間で銃撃戦が起き、韓国兵5人が死亡、18人が負傷。北朝鮮側は13人が死亡したと推定されている。
(2009年11月11日掲載)