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【東日本大震災】原発事故直後の政府の動き   

2011年4月7日(木)「しんぶん赤旗」
原発事故集中審議 吉井議員質問
保安院長「認識甘く深く反省」 経産相「(「想定外」は)使うべきでない」

 福島第1原発事故発生後、初めて集中審議が行われた6日の衆院経済産業委員会で、同事故を取り上げた日本共産党の吉井英勝議員。未曽有の事故を引き起こした責任の所在と、危機打開の道筋が鮮明になりました。

半径20キロ圏内の一時帰宅、11日の実施は困難=枝野氏

避難圏内一時帰宅、11日困難 枝野氏「実施段階的に」
 枝野幸男官房長官は7日午後の記者会見で、福島第1原発事故で避難指示が出ている半径20キロ圏内の住民約8万人の一時帰宅について、安全対策などで時間がかかるため、11日の実施は困難との認識を表明した。「要望が強いのでできるだけ早く始めたいが、そんなに早い時期は想定できない」と述べた。

東電、「すぐに水素爆発する恐れはないが、(NRCの)指摘を踏まえた」

窒素注入は米NRCの助言、水素爆発再発を警告
 新たな水素爆発を防ぐため、東京電力は福島第一原子力発電所1号機の原子炉格納容器に窒素を注入しているが、この措置は米原子力規制委員会(NRC)が報告書の中で必要性を強調していたものだ。

 報告書は、同原発の現状について冷却のために原子炉に注入した海水の塩分が炉内にたまり、十分な冷却ができなくなっていると警告している。

民主党政治改革推進本部、「国会法改正案」と「政治主導確立法案」を取り下げへ

民主、小沢氏主導の国会法改正案撤回へ 同意得る必要
2011年4月7日19時34分
 民主党は7日、内閣法制局長官ら官僚の答弁禁止を盛り込んだ国会法改正案の撤回を決めた。ただ、国会に提出済みの法案を取り下げるには手続き上、筆頭提出者である小沢一郎元代表の同意が必要で、もつれる可能性がある。

小沢氏は大連立の是非には言及しなかったものの、「菅首相では大連立はできない」と断言した。

首相批判が再燃=小沢氏「人災みたいなもの」-民主
 東日本大震災を機に沈静化していた菅直人首相への批判が、民主党内で再燃してきた。地震、津波、東京電力福島第1原発事故の対応の「不手際」に加え、自民党との「大連立」をめぐる動きにも首相への不満が広がっている。10日投開票の統一地方選前半戦の結果次第では、改めて退陣論が強まる可能性がある。

 「思った通り、悪い状況になっている。これは人災みたいなものだ」。小沢一郎元代表は6日夜、都内の私邸で若手議員約10人と懇談し、福島原発の放射能漏れ事故をめぐる政府と東電の対応を厳しく批判した。小沢氏は大連立の是非には言及しなかったものの、「菅首相では大連立はできない」と断言した。

枝野幸男官房長官と玄葉光一郎国家戦略担当相(民主党政調会長)は7日午前、自民党本部を訪問

自民、1次補正予算の成立に協力 大震災対策で
 枝野幸男官房長官と玄葉光一郎国家戦略担当相(民主党政調会長)は7日午前、自民党本部に石破茂政調会長を訪ね、東日本大震災対策をめぐり会談した。枝野氏らは「災害臨時交付金」制度創設などを柱とする自民党の第1次緊急提言を2011年度1次補正予算案に反映させる考えを表明。石破氏は同予算案の早期成立に協力する考えを伝えた。

 民主党政権の閣僚が自民党本部を訪問するのは極めて異例。菅直人首相が模索する自民党との大連立に向け、関係構築を図る狙いとみられる。

野菜は他県産のハクサイで、業者が取り違えて兵庫県産として輸出、さらにシンガポール政府はハクサイをキャベツと誤って発表

放射性物質検出の野菜 兵庫県産は誤り 
 シンガポール政府が「兵庫県産キャベツから微量の放射性物質が検出された」としていた問題で、兵庫県は7日、同国の日本大使館から「輸出業者の送り状などから、検出された野菜は兵庫県産のキャベツではなかった」との報告があったと発表した。出荷明細などから、輸出したのは東京都内の卸業者であることが判明。東京都の調査によると、野菜は他県産のハクサイで、業者が取り違えて兵庫県産として輸出、さらにシンガポール政府はハクサイをキャベツと誤って発表していた。

(2011/04/07 12:49)




3月12日実施の1号機の「ベント」の開始時刻を3月27日に「午前10時17分」に変更

原発事故、緊急措置を早めて公表 政府、重要情報に説明なし
 政府の原子力災害対策本部が、福島第1原発事故の詳しい経過を説明する首相官邸ホームページ上の公開記録で、東日本大震災翌日の3月12日に1号機の炉内の圧力を下げるため実施した緊急措置「ベント」の開始時刻を、同日午後2時半から同午前10時17分に変更していたことが6日、分かった。

「気密性が完全ではなく、放射性物質が漏れる可能性はあるが、より大きな事故を防ぐために必要な措置」。

「窒素注入」苦渋の決断、放射能放出の危険
 水素爆発を防ぐため、東京電力は福島第一原子力発電所1号機の原子炉格納容器に窒素を注入する作業を始めたが、注入によって高濃度の放射性物質を含む水蒸気が格納容器から漏れ出す危険性もある。

 大きな事故を防ぐための手段とは言え、「苦渋の決断」が続く。

 水素は、高温になった核燃料棒の被覆管(ジルコニウム)が水蒸気と反応して生成するほか水が放射線で酸素と水素に分解されてできる。原子炉内は燃料の一部が露出したままで放射線量も高く、水素は生成し続けている。外側の格納容器にたまった水素の濃度は現在1・5%になっている。


宮城県沖の震源近くの海底(水深約1700メートル)が、東側に約24メートル移動

震源海底 24メートル移動 過去最大
2011年4月7日 朝刊

 海上保安庁は六日、東日本大震災で、宮城県の牡鹿半島沖約百三十キロの震源のほぼ真上にある海底基準点(観測点)が地震後、東南東に約二十四メートル移動し、約三メートル隆起していたと発表した。海保は「国内外の過去のデータを調べたが、二十メートルを超える海底の地殻変動は確認できなかった」としており、過去最大規模とみられる。

積算の放射線量をもとに避難地域の見直しへ

積算値20ミリSvで避難地域に…安全委が見解
 内閣府の原子力安全委員会は6日、東電福島第一原発から20~30キロ・メートル圏内や30キロ・メートル以遠でも、放射線量の積算値が20ミリ・シーベルト程度に達する可能性が出た場合に、避難地域とすることが望ましいとする見解を示した。