半径20キロ圏内の一時帰宅、11日の実施は困難=枝野氏
避難圏内一時帰宅、11日困難 枝野氏「実施段階的に」
枝野幸男官房長官は7日午後の記者会見で、福島第1原発事故で避難指示が出ている半径20キロ圏内の住民約8万人の一時帰宅について、安全対策などで時間がかかるため、11日の実施は困難との認識を表明した。「要望が強いのでできるだけ早く始めたいが、そんなに早い時期は想定できない」と述べた。
一時帰宅する場合、20キロ圏内で作業に当たっている自衛隊員らと同様に防護服や線量計などを住民も装備する必要があるとして「段階的、少人数ずつの実施となる」と指摘。その上で「震災から1カ月ぐらいをめどに一時帰宅の概略を固めたい。最大限努力する」と述べ、来週にも具体的な方法をまとめる意向を明らかにした。
一時帰宅をめぐっては、海江田万里経済産業相が6日、自民党原発事故被害特命委員会の額賀福志郎委員長に対し、東日本大震災発生から1カ月となる11日をめどに実施したい考えを表明していた。
枝野氏は会見で「住民は大変期待して待っていると思うが、必ずしも『震災から1カ月なので』という基準で決められる問題ではない」と慎重対応への理解を求めた。
一方、枝野氏は半径20~30キロ圏内に残る住民約2万人に対し、屋内退避から避難指示に切り替える可能性について「蓄積の放射線量はどういう基準で避難などの指示を出せばいいか検討してもらっている」と重ねて述べた。
2011/04/07 22:13 【共同通信】