2011年4月7日 朝刊
海上保安庁は六日、東日本大震災で、宮城県の牡鹿半島沖約百三十キロの震源のほぼ真上にある海底基準点(観測点)が地震後、東南東に約二十四メートル移動し、約三メートル隆起していたと発表した。海保は「国内外の過去のデータを調べたが、二十メートルを超える海底の地殻変動は確認できなかった」としており、過去最大規模とみられる。
陸上では国土地理院が、牡鹿半島で観測史上最大となる東南東に約五・三メートルの移動を確認しているが、海底ではこの四倍以上の地殻変動があったことになる。海保は「断層の位置や大きさ、ずれの量を知る貴重なデータ」として、十一日開催の政府の地震調査委員会で報告する。
調査は三月二十八、二十九の二日間、観測機器を設置していた海底基準点の「宮城沖1」「宮城沖2」「福島沖」の三カ所で実施。洋上の測量船から音波を発信して観測機器の位置を確認した。
地震後、いずれの基準点も東南東に移動。震源のほぼ真上にある宮城沖1で約二十四メートル、震源の約四十キロ陸側の宮城沖2は約十五メートル、福島沖は約五メートル動いていた。垂直方向の変動は、宮城沖1で約三メートルの隆起、宮城沖2で〇・六メートル(暫定値)の沈降を観測。国土地理院の調査で牡鹿半島は約一・二メートル沈降しており、沖側の地殻が跳ね上がり、陸側が沈み込むプレート境界型地震のメカニズムがデータ上も裏付けられた。
海保は二〇〇〇年から太平洋側の海域におおむね百キロ間隔で計十六カ所の海底基準点を設けて観測している。
震源近くの海底、24m東側に動く…海保が計測
海上保安庁は6日、東日本大震災の影響で、宮城県沖の震源近くの海底(水深約1700メートル)が、東側に約24メートル動いたことが確認されたと発表した。
同庁が海底地盤に設置している計測機器の分析結果から明らかになった。今回の震災では、国土地理院の調査で宮城県石巻市の牡鹿半島が東側に約5・3メートル動いたことが判明しているが、震源近くの地殻変動はこの4倍以上だったことになる。
同庁によると、海底地盤の変動が確認されたのは牡鹿半島沖約120キロの海底付近。同庁の測量船が3月28、29日に調査したところ、海底地盤に設置した8基の計測機器のうち、7基がいずれも東南東に約24メートル動き、さらに周辺の海底地盤も約3メートル隆起していたという。
(2011年4月7日01時39分 読売新聞)