尖閣「盗んだものは返すのが当然」=鳩山元首相、中国でも発言
時事通信 6月27日(木)18時8分配信【北京時事】鳩山由紀夫元首相は27日、北京市内で開かれた清華大学主催のフォーラムに出席し、沖縄県・尖閣諸島について「ポツダム宣言の中で日本が守ることを約束したカイロ宣言は『盗んだものは返さなければならない』としており、中国側が(返還すべき領土の中に尖閣諸島が)入ると考えるのも当然だ」と述べた。
鳩山氏は訪中前、香港のフェニックステレビのインタビューで同様の発言をし、菅義偉官房長官が25日に「絶句した。開いた口がふさがらない」と批判。この日の発言は、講演後の質疑応答の中で、傅瑩・全国人民代表大会外事委員会主任委員(前外務次官)と同席した公開の場で飛び出した。中国でも日本政府と異なる見解を改めて強調したことで、波紋が広がる可能性が高い。
1943年のカイロ宣言は「満州、台湾、澎湖諸島のように日本が清国から窃取した一切の地域を中華民国に返還する」としており、中国はその中に尖閣諸島が含まれると主張。鳩山氏は「カイロ宣言の中には(返還されるべき領土として)台湾、澎湖諸島以外の島もあると中国側が考えるのは当然だ」と指摘。
さらに「(日清戦争終了直後の1895年の)下関条約ができる3カ月ほど前に(尖閣諸島は)日本領として閣議決定した事実がある。中国側として中華民国に返せという中に当然入るのではないかという理解は成り立ち、それを否定するものではない」と語った。
鳩山氏はフォーラム出席後、記者団に対し、尖閣諸島は日中が国交正常化した「約40年前に棚上げしようと決めた」と述べ、日本政府が否定する領有権の棚上げがあったとの認識を示した。
鳩山氏が尖閣巡り発言 議論呼ぶ可能性も
6月27日 22時5分中国の北京で27日に開かれたフォーラムに参加した鳩山元総理大臣が、沖縄県の尖閣諸島について、「日本が盗んだと中国側が考えるということも当然あると思う」などと、日本政府の立場と異なる発言をし、今後、議論を呼ぶ可能性もあります。
鳩山元総理大臣は、27日、北京の大学が主催した安全保障や外交をテーマにしたフォーラムに出席しました。
この中で、鳩山元総理大臣は、香港のテレビ局の記者から沖縄県の尖閣諸島についての見解を問われたのに対し、「領土問題に関しては、それぞれの国の政府の言い分がある。重要なことは歴史を冷静に見ることだと思う」と述べました。
そのうえで、鳩山元総理大臣は「日本は戦争に負けてポツダム宣言を受諾した。その中でカイロ宣言を守ることも約束することになった。カイロ宣言では、日本が盗んだものは返さなければならず、台湾などが含まれていたが、それ以外の島もあると中国側が考えるということも当然あると思う」と述べました。
さらに、鳩山元総理大臣は会場で記者団に対し「40年前に棚上げを決めたのだから」などと述べ、1972年の日中国交正常化の際、尖閣諸島の領有権について両国政府の間に「棚上げ」の合意があったという認識を示しました。
鳩山元総理大臣の発言は日本政府の立場と異なるもので、今後議論を呼ぶ可能性もあります。
訪中の鳩山元首相、尖閣問題であらためて中国の主張に理解示す
中国を訪問している鳩山元首相は27日、北京市内で講演し、尖閣諸島をめぐる領有権問題について、あらためて中国政府の主張に理解を示した。
鳩山元首相は「歴史の事実というものをふまえながら、言うべきことを言う。40年前に棚上げしようということを決めたんだから」と述べ、日本政府が否定する棚上げ論を認めた。
また鳩山元首相は講演で、「カイロ宣言には、日本が清国から盗んだものは返さなければならないとある」と述べ、中国政府の主張にあらためて理解を示した。
(06/28 00:30)
2013年6月27日21時37分
尖閣めぐる中国の見解に鳩山氏「そう考えることも当然」
【北京=林望】鳩山由紀夫元首相は27日、清華大学が北京で開いた外交シンポジウムで、尖閣諸島は日本が日清戦争時の混乱に乗じて「盗み取った」とする中国政府の見解について、「中国側がそう考えることも当然ある」と述べた。
鳩山氏は、李源潮(リーユワンチャオ)国家副主席や王毅(ワンイー)外相ら中国側要人も参加したシンポジウムに招かれて講演した後、香港フェニックステレビの記者の質問に答えた。鳩山氏は同テレビが25日に報じたインタビューでも同様の見解を述べていた。
鳩山氏はシンポジウム終了後、記者団に「本当の意味での国益を考えるなら、冷静に両国が歴史の事実を踏まえて言うべきことを言う必要がある」として、尖閣諸島の領有権について「(日中国交正常化の際に)棚上げしようと決めた。昔はメディアも理解していた」と述べた。
http://www.asahi.com/politics/update/0627/TKY201306270380.html