13日淡路島付近で発生したM6,3の地震は「未知の逆断層」が引き起こしたと推測される
淡路島地震、未知の断層が起こす…政府調査委
兵庫県・淡路島付近で13日早朝に発生したマグニチュード(M)6・3の地震で、政府の地震調査委員会(委員長=本蔵義守・東京工業大名誉教授)は14日、臨時会を開き、今回の地震はこれまでに存在が知られていない地下の断層が引き起こしたとの見解を示した。
臨時会では、気象庁や産業技術総合研究所などから提出された観測データや資料をもとに検討した。
その結果、余震の分布などから、地震を起こしたのは、淡路島の中央部を南北に走る長さ約10キロ・メートルの断層で、未知の断層と推測されるという。近くには、最大M6・6程度の地震を起こす可能性がある先山(せんざん)断層帯があるが、今回の地震と同断層帯との関係は不明としている。
今回の地震は、1995年の阪神大震災を起こした野島断層の南側で発生したが、本蔵委員長は臨時会後の記者会見で、「今回の地震は阪神大震災と何らかの関係があるとの意見で全委員が一致した」と話した。
大きな地震が起きると、その震源域周辺の地盤に対する力の加わり方が変化することが知られているが、大震災でも周辺の地盤で同じような変化が起き、今回の地震を引き起こした可能性があるという。
(2013年4月14日17時09分 読売新聞)
深い所で未知の断層が活動=阪神大震災と関連、余震域南西-淡路島中部・政府調査委
兵庫県・淡路島で起きた最大震度6弱の地震について、政府の地震調査委員会は14日、文部科学省で臨時会合を開いた。阪神大震災の余震域南西に近い部分にマグニチュード(M)6.3の本震や余震の震源が集中分布していることから、深さ11~18キロの所に南北約10キロに及ぶ未知の逆断層型断層があり、西側が東側に対して隆起した可能性が高いと結論付けた。
本蔵義守委員長(東京工業大名誉教授)は記者会見で「地表で痕跡が見つかっていないが、今まで知られていない断層があるに違いない」と述べた。阪神大震災から18年がたつが、調査委は関連があるとの見解でほぼ一致。大震災の影響で周辺にひずみがたまって起きたとして、広い意味での余震とする見方もあったという。
本蔵委員長は「大地震が起きた後、周辺で再び大きな地震が起きないわけではない。1920年代以降、西日本内陸部ではM6以上の地震がかなり活発に起きており、防災活動が大事」と注意を呼び掛けた。(2013/04/14-18:10)
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2013041400169
震源、「未知の活断層」原因か 淡路地震、研究者確認
2013年4月14日5時55分
【川田俊男】13日早朝にあった兵庫県の淡路島付近を震源とする地震は、「未知の活断層」が引き起こした可能性が高い。震源の位置や余震の分布などが、既知の活断層と一致しないと複数の研究者が確認した。
周辺の活断層に詳しい岡田篤正・京都大名誉教授はこの日午前、本社ヘリで淡路島の震源域を上空から調べた。「気象庁が示す震源の位置や断層の向きなどから推定される場所に、活断層を示すような明瞭な地形は見あたらなかった。これまで知られている活断層ではなく、未知の活断層が動いた可能性がある」と指摘した。
また、遠田晋次・東北大教授(地震地質学)によると、淡路島中央部には今回の地震を起こした断層と向きが同じ既知の活断層が一つあるが、今回の余震分布はそこから5~6キロ離れていて、一致しなかった。
余震分布を解析したところ、淡路市江井にある江井崎から南へ約10キロの範囲内に、知られていない短い活断層が存在する可能性があるという。「六甲・淡路島断層帯」のうち、国の地震調査委員会が認定している活断層の中にはみあたらない。
一方、今回の地震について、多くの専門家が阪神大震災の「余震」の可能性があるとみている。震源が阪神大震災を起こした野島断層の南端の周辺にあり、ひずみが伝わるなどの影響が及んだとみられるからだ。過去には、大地震の数十年後にマグニチュード(M)6を超す余震が起きたこともある。
飯尾能久・京大教授(地震学)は「もともと、今回のようなM6の前半の地震は地表面にずれなどの地形変化を生じさせることはあまりない。地表面に出ていなくても、今回ぐらいの地震を引き起こすような断層はどこにあってもおかしくないという前提で、防災対策を考える必要がある」と指摘する。
http://www.asahi.com/national/update/0414/TKY201304130407.html