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2012/09/13

米国人37人が領事館などから退避した秘密の避難場所が11日夜、武装勢力によって正確に砲撃された

反米抗議デモ、イスラム圏全域へ拡大の様相

 【カイロ=貞広貴志、ワシントン=山口香子】リビアやエジプトで発生したイスラム教の預言者をからかう米映画に反発する民衆の反米デモは12日夜(日本時間13日未明)、チュニジアなど周辺国に飛び火し、イスラム圏全域へと拡大する様相を見せ始めた。

 リビア東部ベンガジの米領事館襲撃事件について、米政府内では、米同時テロから11年の機会をとらえた計画的テロとの見方も浮上している。

 チュニジアの首都チュニスでは12日、米大使館前に集まった約50人が米国旗を燃やした。エジプト・カイロの米大使館前のデモは、12日も夜通し行われた。モロッコやスーダン、パレスチナ自治区ガザ市でもデモがあった。

 襲撃事件では、米領事館内にいたクリストファー・スティーブンス駐リビア大使(52)と職員3人が死亡。米政府高官は12日、襲撃は「計画された軍事攻撃なのは明白だ」と述べ、米映画への抗議行動が過激化した結果ではなく、武装勢力による計画的犯行との見方を示した。米当局のテロ対策担当者もAP通信に、「(襲撃が)自然発生したと見るには、連携がとれ、訓練され過ぎている」と述べた。

 ロイター通信は、米領事館職員の誘導に当たったリビア政府系民兵組織幹部の話として、米国人37人が領事館などから退避した秘密の避難場所が11日夜、武装勢力によって正確に砲撃された事実を明らかにした。

(2012年9月13日13時42分  読売新聞)




炎上する領事館内に取り残された駐リビア米国大使

2012年09月13日 11:45 発信地:ベンガジ/リビア
【9月13日 AFP】リビア東部ベンガジ(Benghazi)で起きた米領事館襲撃事件で、J・クリストファー・スティーブンス(J. Christopher Stevens)駐リビア米国大使が死亡した際、炎上する領事館内では何が起きていたのか。

 匿名で取材に応じた米当局者によれば、「正体不明のリビア人過激派グループ」による襲撃が始まったのは、現地時間11日午後10時(日本時間12日午前5時)ごろ。武装グループは15分もたたずに敷地内に侵入し、本館に銃撃を開始するとともに放火した。リビア人警備員や領事館の保安職員が応戦したという。

 当時、本館内にはスティーブンス大使のほか保安職員1人と情報管理担当のショーン・スミス(Sean Smith)外交官の3人がいたが、建物内に充満した煙にまかれて離れ離れになってしまった。このうち本館からの脱出に成功したのは保安職員のみで、外でもう1人の保安職員と合流し、取り残された2人の救出に戻ったという。

 2人は建物内でスミス氏の遺体を発見したが、スティーブンス大使を見つけることはできず、煙と激しい銃撃のためやむなく再び本館外に出た。

 領事館保安要員らは本館の奪還を試みたが、反撃に遭い撤退。午後11時20分ごろ、2回目の突入で奪還に成功した。この間、他の職員は全員別館に避難していたが、この別館も翌12日午前0時ごろから攻撃を受け、職員2人が死亡、2人が負傷している。午前2時ごろになって、リビア治安部隊の救援を得た保安要員らが敷地内の統制を回復した。

 スティーブンス大使は数時間続いた攻防の間に本館外部に脱出したか救出され、ベンガジ市内の病院へと運ばれたとみられるが、時間など詳細は分かっていない。事態が収束するまで米当局側では大使を取り巻く状況については何の情報も得られていなかったという。大使の遺体はベンガジの空港で米国側に引き渡された。

 事態を受け、米連邦捜査局(FBI)が捜査を開始している。大使の遺体は死因特定のため検死にかけられる予定だ。(c)AFP









ベンガジの米領事館襲撃で大使ら4人死亡 リビア

2012.09.13 Thu posted at 09:59 JST
(CNN) リビア東部ベンガジの米領事館が11日夜に襲撃された事件で、当時同領事館にいたクリストファー・スティーブンズ駐リビア米大使ら米国人4人が死亡した。オバマ米大統領は12日、「このような非道な行為には必ず処罰を下す」と強く非難する声明を発表した。

米政府高官などによると、領事館はロケット式の手りゅう弾によって襲撃されて炎上。 建物は武装集団に取り囲まれ、スティーブンズ大使らは建物の屋上へ脱出しようとして、ほかの職員と離ればなれになった。死亡したのはスティーブンズ大使のほか、情報管理担当官のショーン・スミス氏と国務省の警護担当職員2人。死亡に至った詳しい経緯は明らかになっていない。

今回の事件は、イスラム教の預言者ムハンマドを冒とくしたとされる映画がインターネットに投稿されたことに対する抗議行動が発端となって発生した。エジプトの首都カイロの米大使館もこの映画をめぐって襲撃され、星条旗が破り取られている。

オバマ大統領は「我々は他者の信教を中傷する一切の行為を拒絶する」「しかし今回のような非道な暴力は、断固として正当化できない」と非難した。

リビア指導部も遺憾の意を表明し、同国首相は「卑劣な犯罪行為」を非難する声明を出した。

関係者によると、ムハンマド映画に対する抗議行動を武装集団が扇動したのか、単に利用しただけなのかは分かっていない。スティーブンズ大使が狙われていたとは思えないという。

米当局者はこの襲撃について、計画的な犯行だったとの見方を示している。リビア東部のイスラム武装勢力の動向に詳しい関係者は、過去にもベンガジの領事館を襲撃したことのある国際テロ組織アルカイダ系の集団が、今回の襲撃にも関与した疑いが最も濃厚だと語った。

米政府高官や国防総省高官によれば、襲撃に関与したとみられる特定の武装集団に対する捜索を強化する方針で、その一環として無人偵察機を動員する見通し。米連邦捜査局(FBI)も12日、捜査に乗り出したことを明らかにした。

スティーブンズ大使は、リビアの指導者だった故カダフィ大佐と反体制派の衝突が激化していた2011年、反体制派との関係構築を担うためにリビアに派遣された。クリントン米国務長官は12日、「(スティーブンズ大使は)圧制者を阻止するために生命を賭し、そしてより良いリビアを築くためにその生命をささげた」との追悼談話を発表した。