【北京=山口香子】北朝鮮の核問題を巡る米国と北朝鮮の高官協議は24日、北京で2日間の交渉を終えた。
協議終了後、米国のグリン・デービース政府特別代表(北朝鮮担当)は「若干の前進はあった」としたが、6か国協議再開の見通しについては「突破口と言うにはほど遠い」と述べた。
米国が6か国協議再開の前提とするウラン濃縮の停止や、北朝鮮が対価として要求する食糧支援について意見の差が埋まらなかった模様だ。
金正恩(キムジョンウン)体制となって初の米朝直接交渉は、北朝鮮側から金桂寛(キムケグァン)第1外務次官らが出席し、2日間で計約9時間に及んだ。北朝鮮側の姿勢についてデービース氏は、「交渉姿勢や立場に大きな変化は感じなかった」と印象を述べた。
米朝は12月までの水面下の交渉で、ウラン濃縮停止と24万トンの栄養食支援の「取引」がまとまる方向だったが、金正日(キムジョンイル)総書記の死去で交渉が中断。その後北朝鮮は、食糧支援に穀物を含め、30万トンに増量するよう求めていた。
(2012年2月24日22時08分 読売新聞)
米朝、交渉継続を確認 ウラン濃縮停止は合意せず
2012/2/25 0:04
【北京=島田学】米国と北朝鮮は24日、北京で北朝鮮の核問題を巡る2日目の高官級交渉を開き、今後も直接交渉を続ける方針を確認した。米デービース北朝鮮担当特別代表は交渉後、記者団には具体的な成果を明らかにしなかった。ウラン濃縮活動の停止は合意できなかったようだ。米国に帰国後、政府内で交渉結果を話し合った上で今後の対応を決めるとした。
米朝間の一連の交渉では、ウラン濃縮活動の即時停止を求める米国に対し、北朝鮮が見返りに大規模な食糧支援を要求するという駆け引きの構図が続いている。
デービース氏は交渉後、北京市内のホテルで記者団に「若干の進展はあった」と語り、北朝鮮側に何らかの歩み寄りの姿勢がみられたことを示唆した。ただ、北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議の早期再開につながるほどの成果はなかったとみられる。
北朝鮮の金桂官(キム・ゲグァン)第1外務次官との2日目の交渉は午前中に北京市内の米国大使館で約2時間続いた。
デービース氏は交渉終了後、中国外務省で6カ国協議の議長を務める武大偉朝鮮半島問題特別代表と会い、米朝交渉の結果などを伝えた。デービース氏は25日にソウル、26日に東京を訪れ、日韓両国の関係者にも交渉結果を報告する予定だ。
米朝高官協議終了 米特別代表「少し進展あった」
2012/02/24 20:16 KST
【北京聯合ニュース】米国務省のデービース北朝鮮担当特別代表は24日、中国・北京で2日間にわたり行われた米朝高官協議について「少し進展があった」と述べた。
協議後、宿泊先のホテルで行った会見でデービース氏は「核不拡散、人道主義的事案、非核化などについて、真摯(しんし)で有意義な会談を行った」とも語った。また、協議の内容についてはワシントンに戻り評価しなければならないとした。
協議結果を評価するのにどの程度の時間を要するかとの質問には、結果を報告後、論議してみなければならないと答えた。結果を評価し、その次の段階として何が必要かについても論議が必要だと説明した。
デービース氏によると、北朝鮮との協議は、ウラン濃縮計画をはじめとする非核化問題、核不拡散、人道問題、人権、拉致被害者問題など多岐にわたった。北朝鮮が周辺国との関係を改善し、よりよい南北関係の構築に向けた努力が必要だということも話題に上った。
ただ、進展があった内容については「具体的なコメントはできない」と述べるにとどまった。北朝鮮が政治的変化の後、比較的はやく米国と会談し、すべての議題についてある程度踏み込んだ論議を行ったこと自体が肯定的であり大きな進展だと話した。
デービース氏は米朝高官協議終了後、6カ国協議議長を務める中国の武大偉朝鮮半島問題特別代表とも会談し、協議の結果について説明した。25日には韓国、26日には日本を訪れ、協議結果を説明する予定だ。