文科省 宮城の土壌汚染を調査
7月21日 0時50分
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、文部科学省は、先月22日から30日にかけて上空から調べた、宮城県内の放射性物質による土壌汚染の実態を公表し、栗原市など北部の一部では、福島県の白河市などと同じ程度の値が計測されたことが分かりました。
文部科学省と宮城県は、先月22日から30日にかけて、福島第一原発から100キロ以上離れた宮城県北部で、ヘリコプターを使って、地表から1メートルの高さの放射線量を測定し、土壌汚染マップを作成しました。
汚染マップは、測定された放射線量によって色分けされ、1時間当たり0.2マイクロシーベルトから0.5マイクロシーベルトは水色、0.1マイクロシーベルトから0.2マイクロシーベルトは青色、0.1マイクロシーベルト未満は濃い青色で示されています。
岩手県との県境にある栗原市は、ところどころに水色の区域があり、福島県のいわき市や白河市の大部分と同じ程度の値になっていることが分かります。肉牛に与えていた稲わらから放射性セシウムが相次いで検出されている問題では、栗原市の業者が集めた稲わらでも、国の目安を大幅に超える値が検出されていることから、文部科学省は「土壌に蓄積した放射性セシウムと、稲わらからの値が、どの程度関係しているか、今後、農林水産省や地元自治体と検討していきたい」としています。
今回の調査結果について、放射性物質に詳しい広島大学原爆放射線医科学研究所の星正治教授は、「こうしたデータを早く把握できていれば、放射性セシウムで汚染された稲わらを牛に与えて、食肉が汚染されてしまうことを防ぐことができた。今からでも、東北から東海にかけての広い範囲で、航空機を使ったデータの収集をすべきだ」と指摘しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110721/k10014342751000.html