2011年7月26日3時39分
東京の複数の会社が、世界遺産・高野山(和歌山県高野町)にある名刹(めいさつ)「持明院」の永代供養権を売るとうたって高齢者らに代金を振り込ませ、連絡が取れなくなっていることが分かった。持明院側によると、把握分だけで、被害は1億1500万円に上るという。
会社は「熊野販売」(東京都渋谷区)や「紀州山道」(同葛飾区)など数社。購入者たちは、詐欺の疑いがあるとして、大阪、千葉両府県警など各地の警察に相談し、一部の被害届は受理された。刑事事件に発展する可能性がある。
持明院は高野山に117ある寺院の一つ。同院側によると、1987年、仏舎利宝塔(地上1階、地下3階建て)を建て、永代供養を始めた。現在は、募集を目的に設立された会社「高野山寺月会」(大阪市)が1口50万~100万円で募り、すでに約1千基の位牌(いはい)などが安置されている。
しかし、今年1月以降、全国の警察や消費者センターから問い合わせが相次ぎ、募集トラブルが発覚した。少なくとも東京、神奈川、静岡、岐阜、大阪、京都、福岡、熊本など約20都府県の約30人が勧誘の電話を受け、うち15人が50万~2740万円を指定口座に振り込んでいた。
購入者によると、突然、パンフレットが自宅に送られ、後日、両社や別会社を名乗った電話があったという。「書類が送られた人しか買えない」と勧められ、「倍で買い取る」と利益を約束された人もいる。大阪府内の70代女性は「催眠術にかかったように振り込んでしまった」と話す。
持明院側の話では、高野山寺月会は2005年、「聖海」(事務所・東京)という会社に一部の募集を委託。トラブルを防ぐため、再委託の禁止や、購入代金は持明院の口座に直接振り込むことを契約していたが、今年になって問題が起きたという。寺側は、熊野販売などの募集は「無断販売」としている。
■寺に無断で販売 「高野山で永代供養」被害1億超
和歌山県・高野山の寺の「永代供養権」を東京の業者が寺に無断で販売し、購入者に金を振り込ませた後、連絡が取れなっていることがわかりました。
被害総額は1億円を超えるとみられます。
今年5月、近畿地方の78歳の女性の家に「永代供養権を買わないか」と勧誘の電話がありました。
「『政治家とか地位高い人が欲しがるので(永代供養の)権利だけをとっておいたら、(転売後)差額を返せる』と言われた」(被害者)
女性は230万円を振り込みましたが、その後、業者と連絡がとれなくなりました。
名前を使われたのは、和歌山県の世界遺産・高野山の持明院です。
持明院によりますと今年1月から6月にかけて「永代供養権を買えば必ず値上がりする」などと架空の話を持ちかける販売が相次ぎ、大阪や千葉の高齢者など17人が50万円から2,740万円を振り込んだということです。
「被害者の方から聞いた話では『買戻しがあるから一旦買って欲しい』と電話がかかってきた。被害は大体1億円超える金額になると思います」(持明院の会見)
「永代供養」とはお墓を継ぐ人の代わりに寺が面倒をみるもので、高野山の仏舎利宝塔ではおよそ1,000家族分が供養されています。
値段は1基50万円から100万円で、そもそも転売自体が禁止されています。
「名前を使われて、実際それを信用した方が供養したいと言って貯めていたお金が正式でない所に流れているのは大変悲しい」(持明院 竹内副住職)
今回、架空話を持ちかけたとされるのは、東京にある「熊野販売」や「紀州参道」
などの業者で、いずれも連絡が取れなくなっているということす。
持明院は購入者に対して、弁護士や警察に相談するよう呼びかけています。
(07/26 19:04)
「永代供養権販売」会社の口座凍結 複数の県警
2011年7月26日17時35分
世界遺産・高野山(和歌山県高野町)にある名刹(めいさつ)・持明院の「永代供養権」を売るとうたった会社が高齢者から代金を受けとった後に行方不明になっている問題で、警察当局がこの振込先となった複数の口座を凍結したことが分かった。捜査関係者が明らかにした。
口座の凍結は、詐欺の被害者らの相談を受けた警察が金融機関に依頼する手続き。会社側の金の引き出しを防ぐためとみられる。
永代供養権を寺側に無断で販売していたのは、「熊野販売」(東京都渋谷区)、「紀州山道」(同葛飾区)など数社。持明院側の話では、少なくとも約20都府県の高齢者が今年1月以降、電話で勧誘され、被害は1億円を超えるという。
捜査関係者によると、神奈川県警と京都府警が4月、「供養権を後に倍額で買い取る」などと勧誘された人らの相談を受け、熊野販売名義の2口座を凍結した。奈良県警は6月に紀州山道の口座を凍結した。
1999年9月