6月22日(ブルームバーグ):サウジアラビアで女性の運転解禁を訴えて運動を展開する団体が、富士重工業のスバル部門に対し、解禁が実現するまで同国から撤退するよう求めている。
クリントン米国務長官は21日、抗議団体「サウジ・ウィメン・フォー・ドライビング」の運動を支持すると表明した。同団体はサウジ国内の女性に行動を呼びかけ、これに応じた女性たちは6月17日に一斉に車を運転して抗議の意を示した。クリントン長官は女性たちを「勇敢だ」とし、「心を動かされた。彼女たちを支持する」と発言。長官は同団体から支持を嘆願する6月3日付書簡を受け取って以降、沈黙を守っていたため、活動家の間で問題視する声が出ていた。
同団体はスバルにサウジからの一時撤退を求めたことについて「これでサウジ王室に強い圧力がかかり、この国の『ジェンダー・アパルトヘイト』に光が当てられると望んでいる」とし、「スバルにとっては、そのブランドにふさわしい行動で約1300万人のサウジ女性に大きな変化をもたらすチャンスだ」と述べた。
スバルはこの抗議で最初の標的となった自動車ブランド。同団体はその理由について社会活動向け米ウェブサイト、チェンジ(Change.org)に掲載した嘆願書の中で、スバルは「進歩的」で自社製品を女性向けに販促してきたためと述べている。同ウェブサイトの人権問題エディター、ベンジャミン・ジョフウォルト氏によれば、先月車を運転して逮捕されたサウジ女性、マナル・シャリフ氏が乗っていた米ゼネラル・モーターズのキャディラックや韓国のヒュンダイモーターカンパニー(現代自動車)にも、抗議運動の対象が広がる可能性がある。
富士重工の広報担当者、松本健太氏(東京在勤)は電話取材に応じ、同社とサウジアラビアのスバル販売店に抗議運動の情報は一切入っていないと述べた。
更新日時: 2011/06/23 00:25 JST
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スバルはこの抗議で最初の標的となった自動車ブランド。同団体はその理由について社会活動向け米ウェブサイト、チェンジ(Change.org)に掲載した嘆願書の中で、スバルは「進歩的」で自社製品を女性向けに販促してきたためと述べている。
スバルにサウジアラビア撤退訴え-女性の運転禁止に抗議活動が活発化