事故後、地表近くの放射性物質は、東日本を通った低気圧の上昇気流によって、上空5,000メートル以上に巻き上げられ、その後、ジェット気流に乗り、アメリカやヨーロッパまで運ばれたという。
福島第1原発事故 放射性物質、9日間で北半球をほぼ1周 九大・東大研究グループ発表
福島第1原発事故で、放射性物質が世界に拡散していく様子が、九州大学と東京大学の研究グループが行ったシミュレーションで明らかになった。
日本を起点に渦を巻き、瞬く間に広がる青い帯。
これは、九州大学と東京大学の研究グループが、福島第1原発からの放射性物質が世界に拡散していく様子をシミュレーションしたもの。
東京大学の中島映至教授は「日本から出たものが、地球をどういうふうに取り巻いているかという問題に関するお話でありまして」と話した。
別の角度、北極の真上から見た図について、東京大学・中村 尚教授は「番号が振ってあるのは、原発起源の放射性物質が(実際)観測されたという位置と、それから時系列、時間的な順番を示しています」と話した。
シミュレーションは、3月14日の夜から23日までの9日間のもの。
福島の放射性物質は、この期間で北半球をほぼ1周したことになる。
研究によれば、事故後、地表近くの放射性物質は、東日本を通った低気圧の上昇気流によって、上空5,000メートル以上に巻き上げられ、その後、ジェット気流に乗り、アメリカやヨーロッパまで運ばれたという。
一方、6月22日、福島第1原発では、2号機の原子炉建屋内の写真が新たに公開された。
茶色くたまっているのは地下の汚染水で、水面近くでは、1時間あたり430ミリシーベルト(mSv)もの高い放射線量が計測された。
そのため東京電力では、遮蔽(しゃへい)対策を行ったうえで、作業員が水位計などの設置作業を行ったという。
(06/23 00:47)