【ソウル時事】韓国の海洋警察庁は24日、北朝鮮による砲撃を受けた延坪島で、民間人2人の遺体が発見されたと明らかにした。兵士に加え、民間人の死者が出たことで、韓国の北朝鮮に対する反発はさらに強まる見通しだ。
海洋警察庁によると、遺体が見つかったのは海兵隊官舎の工事現場。2人とも60歳前後の男性で、島外から働きに来ていたとみられる。遺体は焼け焦げており、作業中に砲弾を受けたもようという。
23日の砲撃では、韓国軍海兵隊員2人が死亡、隊員16人が重軽傷を負ったほか、民間人4人の負傷が確認されていた。今回の遺体発見で砲撃による死者は計4人となった。また、損壊した家屋は22軒に上った。
李明博大統領は24日午前、首席秘書官会議を開き、延坪島など北朝鮮に近い黄海の5島の兵力を増強し、新たな挑発に備えるよう指示。また、今回のような局地的挑発に積極的に対応するため、北朝鮮との交戦規則を改定する必要があるか検討するよう求めた。
統一省は同日、安全上の問題を理由に、北朝鮮の開城工業団地への韓国人の訪問を当面禁止すると発表。また、赤十字を通じた北朝鮮への水害支援を中断することを明らかにした。
李大統領はこの日、オバマ米大統領、菅直人首相と相次いで電話会談し、連携して対応していく方針を確認。米韓は28日~12月1日に黄海で合同軍事演習を実施することで合意した。
韓国軍合同参謀本部によると、演習には米原子力空母「ジョージ・ワシントン」も派遣される予定。同本部は演習は以前から予定されていたと説明するが、事実上、砲撃への対抗措置と言える。(2010/11/24-21:29)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201011/2010112400705
北朝鮮砲撃 民間人2人が死亡 NHKニュース
11月24日 18時6分
北朝鮮によるヨンピョン島への砲撃で、新たに韓国の民間人2人が死亡していたことがわかり、被害が拡大しています。アメリカ軍は、ヨンピョン島に近い海域に、原子力空母「ジョージ・ワシントン」を派遣して韓国軍と軍事演習を行うと発表し、北朝鮮がさらなる挑発行為に出ることがないよう、強いメッセージを送るねらいがあるものとみられます。
北朝鮮軍は23日、朝鮮半島西側の黄海に浮かぶ韓国のヨンピョン島に向けて170発の砲弾を撃ち込み、このうち80発が島に着弾しました。海洋警察庁が24日、砲撃を受けた現場付近を捜索したところ、韓国軍の関連施設の建設工事に当たっていた民間人2人の遺体が新たに見つかりました。これで、韓国側の死者は兵士2人と民間人2人のあわせて4人、けがをした人は兵士15人と民間人3人のあわせて18人となりました。
一方、韓国に駐留するアメリカ軍は24日、ヨンピョン島に近い海域で、今月28日から来月1日までの4日間、韓国軍と軍事演習を行い、原子力空母「ジョージ・ワシントン」と4隻のイージス艦からなる空母機動部隊を派遣して、韓国軍と軍事演習を行うと発表しました。アメリカとしては、圧倒的な攻撃力を持つ空母機動部隊を、緊張が高まっている海域に展開することで、北朝鮮がさらなる挑発行為に出ることがないよう強いメッセージを送るねらいがあるものとみられます。
こうしたなか、韓国政府は、さきの赤十字の実務協議で、北朝鮮の洪水被災地に支援を約束したセメント1万トンのうち、まだ送っていない7000トンの支援を当面中断することを決めました。