尖閣めぐり鳩山元首相が「失言」=菅官房長官「許せない」
時事通信 6月25日(火)16時57分配信
民主党を離党する意向を示している鳩山由紀夫元首相が香港フェニックステレビのインタビューに応じ、沖縄県・尖閣諸島について「中国側から見れば盗んだと思われても仕方がない」と発言したことが25日、分かった。これに対し、菅義偉官房長官は同日午後の記者会見で「断じて許すことはできない」と厳しく批判した。
鳩山氏はインタビューで「尖閣諸島に対し、『私の島だ』という気持ちは(日中)両方の国が持っていて当然だと思う」と述べた。「日本が窃取した一切の地域を中国に返還する」とした1943年のカイロ宣言に尖閣諸島が含まれるとの立場を中国が取っていることに関しても「そういう解釈は中国側から見れば十分に成り立つ」と理解を示した。
菅長官は会見で「絶句した。開いた口がふさがらない」とした上で、「これまでも無責任な発言によって政治の混乱を招いてきた。私人だが元首相にふさわしい発言をしてほしい」と鳩山氏に要求した。同テレビ局の狙いについては、中国側に有利な世論形成との見方を示した。
鳩山元首相「尖閣盗んだ」発言…菅長官「絶句」
2013年6月26日(水)7時14分配信 読売新聞
【広州=吉田健一】鳩山由紀夫元首相は25日放送された香港のフェニックステレビとのインタビューで、沖縄県の尖閣諸島について、「中国側から見れば(日本が)盗んだと思われても仕方がない」と述べ、同諸島は「係争地である」との認識を示した。
中国政府は、同諸島が日清戦争末期に日本に奪われたとの立場から、「日本が清国人から盗取した一切の地域を中華民国に返還する」とのカイロ宣言を領有権主張の根拠としている。鳩山氏は、「カイロ宣言の中に尖閣が入るという解釈は、中国から見れば当然成り立つ話だ」と述べ、中国政府の言い分に理解を示した。
鳩山氏はまた、同諸島を巡る問題の「棚上げ」について、「文書ではないが、41年前に周恩来首相と田中角栄首相の間で合意したのは事実だ」と主張した。
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菅官房長官は25日の記者会見で、尖閣諸島を巡る鳩山元首相の発言について「断じて許しがたい」と批判した。「発言を聞いて絶句した。開いた口が塞がらない。我が国の首相を務めた人が、日本の領土の主権を揺るがせるような発言をすることは国益を著しく損なう」とも語った。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130625-OYT1T00934.htm