中国、水増し統計相次ぐ 貿易統計は7兆円過大 地方都市の工業生産額も
2013.6.17 18:11
中国で経済統計の水増しが相次ぎ発覚、公式発表への信頼性が揺らいでいる。貿易統計は架空取引により750億ドル(約7兆円)も水増しされた疑いがあり、地方当局が工業生産を4倍近くに過大報告していたことも判明。政府は対応を迫られている。
中国税関総署によると、1~4月の中国から香港への輸出は前年同期比69・2%増の1451億ドルに急拡大。しかし当局が架空取引を取り締まった結果、5月の輸出は1~4月より大きく低下。中国紙、21世紀経済報道によると、1~4月の貿易統計に計上された架空取引の金額は750億ドルに上ったとの指摘がある。
また、国家統計局は6月14日、広東省中山市横欄鎮が2012年の工業生産額を62億9千万元(約970億円)も水増ししていたと明らかにした。公表額は85億1千万元だったが、国家統計局が調べると、実際は22億2千万元しかなかった。(共同)
中国の1─4月の貿易統計水増し分は推計750億ドル、商務省内部調査で発覚=報道
2013年 06月 14日 14:04 JST
[上海 14日 ロイター] - 中国の21世紀経済報道は14日、商務省の内部調査を引用し、偽りの税関申告書類を通じて1─4月の同国の輸出入データが750億ドル分水増しされていたと伝えた。
関係筋の話と商務省の内部文書を引用して伝えられたところでは、1─4月の輸出の前年同期比伸び率 は推計で実質約7%にとどまる。輸入の伸び は約6%。推計は偽りの申告の多くが行われてたとされる深セン港からのデータを除いたものがベースになっている。
中国税関当局は1─4月の輸出伸び率を17.4%、輸入については10.6%と発表していたものの、水増しされたインボイスによってデータが歪められているとの疑惑がアナリストの間では生じていた。
5月の貿易統計では、輸出が前年同月比でわずか1.0%増、輸入が同0.3%減となっていた。この発表に先立ち、税関当局は中国の輸出データと、香港など貿易相手から発表される中国からの輸入品に関するデータの間での不整合を調査すると表明していた。
750億ドルの推計は、税関特殊監督管理区の物流データを検証した結果に基づく。こうした地域は中国の保税倉庫で、ここで偽りの申告の多くがなされていたとの疑いがアナリストからは出ていた。
税関特殊監督管理区の輸出入品の出入りは、1─4月に前年同期比130%増となっていたが、監視が強化された後の5月ではわずか19.1%増だった。
中国貿易統計:輸出、急減速 6カ月ぶり1ケタ 5月
毎日新聞 2013年06月08日 13時09分(最終更新 06月08日 13時19分)
【北京・井出晋平】中国税関総署が8日発表した5月の貿易統計によると、輸出は前年同月比1.0%増の1827億ドル(約17兆7200億円)と、4月の14.7%増から急減速、昨年11月以来半年ぶりに1ケタの伸びにとどまった。欧州向けなどの低迷に加え、香港から貿易取引を装って投機資金を中国本土内に持ち込む「水増し輸出」に対する当局の取り締まり強化が影響したとみられる。5月の輸入は0.3%減の1623億ドル(約15兆7400億円)と4月の16.8%増からマイナスに転じた。
内需、外需の弱さが浮き彫りとなり、中国経済の先行き不安を高めそうだ。
5月の日本向け輸出は5.7%減、日本からの輸入は13.7%減で、4月(輸出1.1%減、輸入3.2%減)から減少幅が拡大。日中貿易の縮小傾向が続いていることを示した。
今年1〜5月累計の中国の輸出は13.5%増、輸入は8.2%増。輸出を地域別で見ると、最大の貿易相手の欧州連合(EU)向けは2.9%減と、1〜4月(0.9%減)から減少幅が拡大した。今年に入り急増した香港向け輸出は、5月は7.7%増と4月(57.2%増)から急減速した。