温暖化で日本は豪雪? 北極の氷と関係
地球温暖化などに伴って北極海の氷が少なくなると、低気圧の進路が変わって日本近くに寒気が入りやすくなり、時として豪雪を引き起こすことを突き止めたと、海洋研究開発機構のチームが1日発表した。今年の冬もこうした気象条件にあり、チームは「進行する温暖化にもかかわらず最近の日本の冬が寒い原因の一つかもしれない」としている。
チームは過去30年のデータを分析し、温暖化の影響が深刻とされる欧州の北にあるバレンツ海の氷が少ないと、通常はシベリア沿岸を東向きに進む低気圧の進路が、北寄りになって沿岸を離れることを確認。
2012/02/01 18:43 【共同通信】
海氷減少で日本厳冬に=今季の寒波・大雪に影響か-北極圏バレンツ海・海洋機構
海洋研究開発機構は1日、北欧3国とロシアに面する北極圏のバレンツ海の海氷が少ない冬は低気圧が北寄りに進み、シベリア高気圧が拡大して強い寒気が形成され、日本が厳冬になる可能性があることが分かったと、発表した。2005~06年の「平成18年豪雪」や今冬の寒波・大雪も説明できるという。研究成果は米国気象学会発行の専門誌に掲載された。
日本の厳冬は低緯度のラニーニャ現象(太平洋赤道域東部の海面水温が低い現象)と高緯度の北極振動(北極圏などでの気圧変動)が関係するが、今冬は両現象だけでは説明が難しいという。
海洋機構が気象データを解析したところ、バレンツ海の海氷面積が少ない時は、低気圧が平年より北の北極海上を通過していることが判明。その結果、低気圧が持つ暖かい空気が南のシベリア大陸にまで流れ込まないため、高気圧が北極海沿岸まで拡大する。その後、強い寒気が形成され、日本に来襲するという。(2012/02/01-22:05)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2012020100784