「空間の放射線レベルが異常に高い。その段階で燃料が壊れていて、そのために放射線のレベルが異常に上がったということが読み取れる」
東電公開データ、緊迫やりとり明らかに
東京電力が16日に公開したのは、福島第一原発の中央制御室などに残されていたデータ。その量は分厚いファイル4冊分にも及びます。いったいこのデータから何がわかるのでしょうか。
「われわれが本当に知りたいのは、津波に襲われたあとの数値」(原子力システムコンサルタント・齋藤伸三工学博士)
専門家は、データを見る限り地震直後には大きな問題はなかったとしますが、その後の「津波による全電源の喪失」という想定外の出来事で事態は一変します。
「大津波警報発令」
「入域禁止社長指示」
中央制御室のホワイトボードには、当時の緊迫した書き込みがいくつも記されています。10秒間に0.8ミリシーベルトという極めて高い数値が観測されていたことも記されています。
「空間の放射線レベルが異常に高い。その段階で燃料が壊れていて、そのために放射線のレベルが異常に上がったということが読み取れる」(原子力システムコンサルタント・齋藤伸三工学博士)
東京電力は16日、これまで「津波が原因で停止した」としていた原子炉を冷やすための非常用復水器について、作業員が急激に原子炉の圧力が下がったために人為的に止めた可能性があることも明らかにしました。
これについては・・・
「運転マニュアルができており、そのとおりやったのであれば責められない。(再発防止のためには)データをよく吟味して、最善の策は何であるかを追求していかなければならいと思います」(原子力システムコンサルタント・齋藤伸三工学博士)
原子力安全・保安院は、東京電力に対し公開したデータを分析し、評価結果を報告するよう求めています。(17日17:42)