バイオマスなエコタウン構想 「市の中心部は、ドイツの田園都市をモデルに考えたい」「(原発周辺は)10年住めないのか20年住めないのかということになってくる」
原発避難でエコタウン建設 内陸部に5万~10万人規模
菅直人首相は13日、松本健一内閣官房参与と官邸で会談した。松本氏は福島第1原発周辺の居住が長期間困難になった場合の移住先として、内陸部に5万~10万人規模のエコタウンを建設する構想を提案。首相は賛同した上で「市の中心部は、ドイツの田園都市をモデルに考えたい」と述べた。
これまでの記者会見で首相は、バイオマス(生物資源)活用による地域暖房を完備したエコタウン構想を表明。14日に初会合が開かれる「復興構想会議」(議長・五百旗頭真防衛大学校長)で、被災地再建策の柱として議論される見通しだ。
松本氏は会談で、東日本大震災の津波被害を踏まえ「堤防などの人工的な構造物で津波を防ぐという発想を超えねばならない」と指摘。堤防に加えて松林などを活用する案を示したのに対し、首相は「具体的な方策を考えたい」と応じた。
会談後、松本氏は記者団に、原発周辺住民の移住先について「少なくとも首相の頭の中にはある」と述べ、首相が具体的な土地の選定を進めているとの見方を示した。
松本氏は会談後、首相が福島第1原発周辺の避難区域に関し「当面住めないだろう。10年住めないのか、20年住めないのか、ということになってくる」との認識を示したと記者団に紹介したが、その後「首相はそんなことを一言も言っていない」と修正した。
首相は13日夜、官邸で記者団に「私が言ったわけではない」と述べた。
2011/04/13 19:42 【共同通信】