欧州自動車メーカー、数週間で生産停止も-日本からの部品供給不足
3月25日(ブルームバーグ):ドイツのフォルクスワーゲン(VW)やフランスのプジョーシトロエングループ(PSA)など欧州の自動車メーカーは、向こう数週間のうちに生産停止に追い込まれる恐れがある。震災の被害を受けた日本の部品供給業者の中には工場を再開できない企業があるためだ。
欧州自動車部品工業会(CLEPA)の最高責任者ラルス・ホルムクビスト氏は24日の電話インタビューで、通常の生産レベルを回復するには数カ月かかり、「数十億ユーロ」に上る収入が失われる可能性があるとの見方を示した。
同氏は「欧州に混乱を引き起こすのは間違いない」と指摘。オーディオやカーナビゲーションなどのインフォテインメントシステムや半導体など日本製の部品供給が途絶えることで、乗用車メーカーに数週間以内に影響が表れる公算が大きいと語った。
欧州2位の自動車メーカー、プジョーは23日、「プジョー」と「シトロエン」の一部モデルの生産が最大6割減少するとの見通しを示した。日立製作所から購入しているディーゼルエンジン部品が不足しているためという。米ゼネラル・モーターズ(GM)傘下の独オペルは、電子部品の新たな供給元が米国で見つかるまでの間、ドイツとスペインの工場で生産シフトの休止に踏み切った。
仏ルノーのカルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)は、震災の影響で日本の自動車部品メーカー約40社からの供給に支障が出ていると述べている。
更新日時: 2011/03/25 11:17 JST