3月18日 20時39分
放射性物質の外部への放出が続き深刻な事態に陥っている福島第一原子力発電所の事故について、18日夜、東京電力の幹部が福島市内で会見し、震災から1週間たった今も事態を収束できないことを謝罪し、海水を注入した原子炉は廃炉にせざるをえないという見方を示しました。
この中で、東京電力の小森明生常務は「避難をしている方々には本当に申し訳ない。非常に厳しい状況が続いていることに変わりがなく、死にものぐるいでやっていく」とことばを詰まらせながら話し、震災から1週間たった今も事態を収束できないことを謝罪しました。
「福島第一原発を廃炉にするのか」という質問に対しては、「廃炉にするか、経営幹部で議論したことはないが、緊急時とは言え、原子炉に海水を注入という最後の手段を講じたのは事実だ」と述べ、海水を注入した1号機から3号機については廃炉にせざるをえないという見方を示しました。
東電 放射性物質漏えいを謝罪…第1原発は廃炉へ
東京電力の小森明生常務は18日、福島県災害対策本部が置かれた福島市の県自治会館で会見し、「放射性物質の漏えいでご迷惑をおかけし、心よりおわび申し上げる」と謝罪した。事故後、幹部が福島県を訪問するのは初めて。
会見で東電は、事故対応を強化するため22日から鼓紀男副社長と小森常務らが福島県内に駐在することを明らかにした。
小森常務は、福島入りが遅くなったことについて「原発が緊急事態に陥り経営陣が安全確保の対応を行ってきたため」と釈明。鼓副社長は福島市で地域や県民からの要望の調整に当たる。小森常務は楢葉町で事故の拡大防止や設備の安全確保、住民への説明に取り組む。
事故の収束について、小森常務は「非常に厳しい状況が続いている。一日でも早く収束させたいが困難だ」と説明。「電源の復旧などを死に物狂いでやっていく。国の指導の下、全力であらゆる策を講じる」と述べた。
第1原発については「海水の注入という最後の手段を講じた」として、廃炉を考えていることを示唆した。
[ 2011年3月19日 01:39 ]
福島の原発廃炉「当然議論に」=東電常務が記者会見
福島第1原発の一連の事故で、東京電力の小森明生常務は18日、福島県内で記者会見し、「県内の原発を廃炉にするか」との記者の質問に「当然、そういうことも議論になると思う」と述べた。また同社の原発事業については「危険な状態を無視することは、経営の根幹に関わる」とし、事業継続の上で設備や運営を見直す考えを示した。
住民への情報提供や生活支援が遅れているとの非難を受け、東電社員を避難所に派遣し、要望に応えることを表明。一方で、原発事故の被災住民への補償は「国とも相談して考えていく」とし、明言を避けた。
小森常務は2008年6月から2年間、福島第1原発の所長を務めた。会見では「私も住民でした。住民の顔を浮かべると本当に申し訳ない」と謝罪した。
原発を冷却するための危険な放水作業に自衛隊員や警察官、消防士らが携わっていることについては「多くの人が大事故に携わっていることに、本当に頭が下がります」と声を詰まらせながら語った。(2011/03/18-22:57)
福島第一原発「廃炉」を検討 東電常務が福島で謝罪会見
2011.3.18 21:23
東京電力の小森明生常務は18日、福島市内の福島県災害対策本部で記者会見し、福島第1原子力発電所の爆発や放射能漏れ事故について「このような事態を招き痛恨の極みです。福島県民におわびします」と県民に初めて謝罪した。
小森常務は、福島第1原発の廃炉について「幹部と議論したことはないが、今後はそういうことも含めて検討していく」と述べた。
放射能汚染への不安と怒りが福島県民には広がっているが、「厳しい状況が続いているが、あらゆる手だてを講じて、安全確保に努めたい」と事態収束に全力を尽くす構えを表明した。
放射能汚染を避けるために、避難所を転々としている周辺住民に向けて「誠に申し訳ない」と涙ながらに謝罪。今後の補償については「国と相談して考えていく」と語った。
今後、原発事業の継続に関しては「経営判断があり、今答えられない」とした。
記者団からは「原発の安全性をPRしてきたのは正しかったか」「福島県民に希望はあるのか」といった質問が相次いだが、「イエスかノーかで答えられない」と言葉を失っていた。
東電幹部、「福島に希望は」の問いに絶句
「福島に希望はあるのか」との問いに、東京電力の小森明生常務は言葉を失った。小森常務は18日、原発事故後初めて東電幹部として福島県を訪問。「大変な心配と迷惑を掛けたことをおわびします」と謝罪。会見後、感情を抑えきれずに号泣した。
県の災害対策本部が置かれた福島県自治会館で開いた記者会見。質問は約10万人の避難民や風評被害への補償問題に集中した。
福島第1原発前所長だった小森常務は「安全な状態に戻すことに全力を挙げたい」と繰り返すだけだったが、度重なる追及に10秒以上沈黙。目に涙をためながら「私も住んだことがある。住民の皆さまの顔を思い浮かべると本当に申し訳ない。補償は国とも相談し、考えてまいりたい」と声を絞り出した。
「福島に希望はあるのか」との問い掛けに、沈黙の後「県民におわび申し上げるとしか言えない。イエスかノーかということは極めて答えにくい。気持ちとしては全力で…」と答えるのがやっとだった。
会見場と同じフロアにいた佐藤雄平知事との面会は設定されなかった。会見を終えると、小森常務は「うー」とうなり声を上げながら号泣。東電社員に抱きかかえられながら会場を後にした。(共同)
[2011年3月18日22時35分]