狙いは「救国内閣」?=閣僚3増提案に臆測-与野党
民主党の岡田克也幹事長が18日、政府の震災対応を強化するため閣僚の3人増員を提案したことをめぐり、与野党で臆測を呼んでいる。一部には、菅直人首相が政権基盤の強化も狙って、野党からの起用を想定しているとの見方も浮上。野党側からは、警戒の声も漏れている。
岡田氏が閣僚増員に言及したのは、政府と与野党幹事長らによる震災対策合同会議。菅内閣の閣僚は内閣法が定める上限の17人おり、岡田氏は「内閣法を改正し、大臣の枠を三つ増やす」と提案した。ただ、閣僚の担当分野や増員期間など具体的なことには一切触れなかった。
岡田氏は17日に震災担当相の設置を求める公明党の山口那津男代表に電話し「野党から閣僚を増やす内閣法改正案を提出してほしい」と打診。18日には自民党の石原伸晃幹事長とも会談した。
岡田氏の増員提案について、民主党幹部は「野党を入れるのも悪くない」と、野党に入閣を打診する可能性を示した。国民新党幹部は、同党の亀井静香代表が唱える与野党の枠を超えた「救国内閣」と重ね合わせて「入閣は亀井代表、谷垣禎一自民党総裁、山口代表だろう」と指摘した。
これに対し、野党側は、震災対応で政府への協力姿勢を示しているが、菅政権に衆院解散を求めてきた経緯もあり、閣内での協力までは想定していない。自民党の石破茂政調会長は「予算や外交安保で大きな隔たりがあり、連立を組むことにはならない」と明言。公明党幹部も「増員するにも1人で十分。震災に絡めて野党を取り込もうというのなら許されない」と指摘した。(2011/03/18-22:27)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201103/2011031801127