2号機の電源復旧は21日以降=原子力安全・保安院
2号機通電を確認、冷却機能回復は21日以降
東日本巨大地震で被災した東京電力福島第一原子力発電所は20日、送電線が外部とつながった2号機の電力設備で通電を確認した。
今後、原子炉建屋内への電力供給の再開を目指す。3号機建屋に対する東京消防庁による大規模放水は、19日に続いて20日も実施され、4号機に対しても初めて自衛隊の消防車両などが放水した。3号機では一時、原子炉格納容器の圧力が上昇し、東電は放射能を帯びた蒸気の外部放出も検討したが、圧力が安定したため、当面の実施を見合わせた。
東電などの復旧チームは、放水作業が一段落した20日午前11時から、通電に向けた準備作業を実施。午後3時46分、送電線を接続した2号機のタービン建屋内の配電盤兼変圧器までは電気が来ていることを確認した。
また、2号機の使用済み核燃料の一時貯蔵プールに対し、消火用ポンプを使って海水40トンを注入。この日の作業を終えた。
2号機の原子炉建屋や中央制御室の機器類の点検は21日から実施される予定で、経済産業省原子力安全・保安院は、電源の復旧は同日以降になるとの見通しを示した。電源が復旧すると、中枢施設である中央制御室や原子炉の冷却機能などを回復できる。
3、4号機への送電線の引き込み作業は、3号機建屋が爆発した際などに飛散したがれきが多数あり、放射線量も高いために難航している。
非常用ディーゼル発電機で電源を確保している5、6号機について、東電は20日、一時的に上昇していた原子炉内の温度が100度以下の安定した状態になったと発表。貯蔵プールの水温も同日午後4時現在でそれぞれ35度、28度と正常レベルに下がった。
(2011年3月20日23時15分 読売新聞)