sengoku38 映像流出の流れ
「やるべきことやっただけ」流出の海上保安官
尖閣諸島沖の中国漁船衝突映像がインターネット上に流出してから約1か月半。
流出を告白した神戸海上保安部の一色正春海上保安官(43)が22日、国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで東京地検に書類送検された。
この日辞職した一色保安官は取材に対し、「やるべきことをやっただけだ」と語ったものの詳細は説明せず、捜査でも未解明の点が残されている。一方、長官ら計24人が処分された海保内からは「前例のない大量処分。こんなに大事になってしまうとは」といった声が上がっている。
「国民は海上の出来事を知らない。衝突事件の真相を多くの国民に知ってほしかった」。警視庁の調べに、一色保安官は映像を流出させた動機について、一貫してそう供述したという。
一色保安官が問題の映像を巡視艇「うらなみ」内の共用パソコンから私用USBメモリーにコピーして持ち出したのは10月中旬~下旬。自宅に持ち帰り、自分のパソコンに保存しようとしたが、操作に不慣れだったことなどから失敗し、共用パソコンからのコピーは計3回に及んだ。
一色保安官はこの頃、映像を保存したSDカードを米ニュース専門局「CNN」の東京支局にも送付。その後、11月4日に神戸市内の漫画喫茶から動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿した。警視庁は一色保安官が10月下旬頃、投稿を決意したと結論づけているが、一色保安官は、投稿に至った具体的なきっかけや、「sengoku38」というアカウント(登録名)を使った理由などについて、「言いたくない」と説明を避けているという。
(2010年12月23日11時02分 読売新聞)