首相元公設秘書を在宅起訴 3億7千万円の虚偽記載罪
2009.12.24 15:18
鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」をめぐる偽装献金問題で、東京地検特捜部は24日、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で、懇話会の会計事務担当だった鳩山氏の勝場啓二元公設第1秘書(59)を在宅起訴した。虚偽記載額は鳩山氏の関連政治団体分も含め、約3億7200万円に上るとみられる。会計責任者だった芳賀大輔元政策秘書(55)については同法違反(重大な過失)罪で略式起訴し、鳩山氏本人は虚偽記載に関与していなかったとして嫌疑不十分で不起訴処分とした。
特捜部は勝場被告が独断で虚偽記載を行ったと認定した上で、偽装献金の原資が特定企業などからではなく鳩山氏本人や実母(87)の資金だったことや、容疑を認めていることから在宅での刑事処分が適当と判断。立件額が巨額のため、罰金を前提とした略式起訴ではなく、公判請求した。
芳賀被告については、政治資金収支報告書のチェックを怠り、虚偽記載を見抜けなかったことが重大な過失にあたると判断した。東京簡裁は同日、罰金30万円と公民権停止3年の略式命令を出した。
関係者によると、勝場被告は平成16~20年、鳩山氏や実母の資金を、故人や実際には献金していない人からの個人献金などと偽り、懇話会の収支報告書に約3億6千万円の虚偽記載をしたとされる。
また、鳩山氏の関連政治団体「北海道友愛政経懇話会」(北海道室蘭市)が17~20年に、鳩山氏の実母と実姉から受けた献金計1200万円を収支報告書に記載しなかったとされる。
一方、実母からの資金提供については鳩山氏への「貸付金」ではなく「贈与」との疑いが強まっており、鳩山氏は延滞税を含め5億円前後の贈与税の支払い義務が生じる可能性がある。鳩山氏も修正申告に応じる意向を示している。