いかなる軍事的挑発行為にも反対=北朝鮮砲撃で中国首相
【北京】 ロシアを訪問中の温家宝・中国首相は24日、北朝鮮による砲撃事件について「いかなる軍事的な挑発行為」にも反対すると述べた。北朝鮮が23日、韓国・延坪島を砲撃したことを受け、米国と韓国は黄海で合同軍事演習を計画している。
オバマ米大統領ら外国首脳は、北朝鮮の唯一の主要同盟国である中国に対し、北朝鮮に自制を求めるよう呼びかけている。しかし、中国は外務省声明で北朝鮮の攻撃で被害が出たことは暗に認めたものの、朝鮮戦争終結以来最大級の危機となった同事件について、北朝鮮政府を非難することは避けている。
中国外務省のサイトに掲載された声明によると、ロシア訪問に際し、温家宝首相は、南北朝鮮の緊張状態について「非常に複雑な情勢である。すべての当事国は、最大限度の自制を保ち、国際社会は緊張緩和に向け努力すべきである」と述べた。
温家宝首相の発言は、ロシアのメドベージェフ大統領との会談時に行ったもので、先の中国外務省声明とほぼ同じ内容だが、(声明にあった)人命が失われたことへの「痛みと遺憾」の意を改めて示すことはなかった。北朝鮮による延坪島への攻撃では民間人2人と韓国軍兵士2人が死亡している。
温家宝首相が言及した「軍事的な挑発行為」が北朝鮮による今回の砲撃なのか、韓国が事件直前に実施していた軍事演習なのか、または今後予定される米韓合同軍事演習についてなのかは明確ではない。
米韓両国は24日、米海軍空母ジョージ・ワシントンと韓国海軍が28日に黄海で軍事演習を行うと発表した。米国防総省の報道官は米韓軍事演習について、北朝鮮による攻撃の抑止を狙ったものだが、以前から計画されており、今回の北朝鮮による砲撃とは直接関連はないと指摘した。
記者: JASON DEAN