「卑弥呼の鏡」は魔鏡、背面の文様を投影
邪馬台国の女王・卑弥呼ひみこの鏡ともいわれる三角縁神獣鏡さんかくぶちしんじゅうきょうが、鏡面に光を反射させると背面の文様が壁に映し出される「魔鏡」の特性を持つことがわかり、京都国立博物館の村上隆・学芸部長が29日発表した。
国内の古代鏡で確認されるのは初めて。太陽を崇あがめる祭祀さいしで光を操り、権威を高める役割があったとみられ、古代鏡の用途などを解明する糸口となりそうだ。
魔鏡と確認されたのは、愛知県犬山市の東之宮ひがしのみや古墳(4世紀初め)で出土した2面(直径21~23センチ、重要文化財)。立体物を精巧に再現する3Dプリンターで復元模造品を作り、実験した。この日の記者発表でも、鏡に光を当てると、神像がうっすらと映し出された。
(2014年1月30日00時31分 読売新聞)