中国反日デモ、暴徒化拡大=日系企業に放火、略奪-30都市、72年以降最悪に
【北京時事】日本政府による沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の国有化に抗議する反日デモは15日午後も中国各地で続き、一部で暴徒化して日系工場が放火され、百貨店やスーパーが襲撃されるなど大きな被害が出た。日本大使館前のデモ参加者が2万人以上となった首都北京をはじめ、デモが展開された都市は30以上に広がり参加者は7万人に達し、1972年の日中国交正常化以降で最大規模に拡大したもよう。
中国各地では、柳条湖事件(満州事変の発端)から81年を迎える18日を前に、16日以降も激しいデモが続く恐れがある。日中関係のさらなる緊迫化は避けられそうにない情勢だ。
日本大使館などによると、山東省青島ではデモ参加者が数万人に膨れ上がり、パナソニックなど日系企業10社では工場が放火されたり、生産ラインが破壊されたりするなどの被害が出た。青島のジャスコ黄島店でもデモ参加者がガラスを割って侵入、鉄パイプで店内の器物を破壊し、商品を略奪した。
北京のデモは10時間にわたって行われ、参加者数は靖国神社参拝問題などを受けた2005年4月のデモ(1万人規模)を超えた。デモ隊は公安当局の規制を振り切って大通りを埋め尽くし、「釣魚島は中国のものだ」「小日本を打倒しろ」と気勢を上げた。
石やペットボトルを大使館にめがけて投げたり、館内に乱入しようとしたりするなど暴徒化。日中関係筋によると、大使館正面に掲げられた日本国旗が卵か何かで汚され、大使館は国旗を降ろす措置を取った。
このデモ隊に対しては、計2000人以上の武装警察部隊などがバリケードを築いて配置に就き、激しいもみ合いとなった。混乱はなかなか収まらず、当局がデモを制御できない状況が浮き彫りとなった。(2012/09/15-23:39)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012091500189
1万人反日デモが暴徒化=制御不能に、武装警察投入-大使館前、大通りを占拠・北京
【北京時事】日本政府による沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)国有化後、初めての週末となった15日午前、北京の日本大使館前には1万人の若者らが国有化に反対して大規模な抗議行動を行った。若者らは暴徒化し、デモ隊は大使館前の大通りを占拠。大使館に向けてペットボトルやごみを投げ続け、気勢を上げた。
大使館への乱入を試みる若者らを阻止しようと当局は1000人以上の武装警察を投入。若者と武装警察は激しいもみ合いになった。反日デモは制御不能の状態となった。大使館前にはバリケードが張られ、当局は実力行使に乗り出した。
北京では2005年4月、1万人規模の反日デモが起きたことがあるが、これほどの大規模デモは異例。共産党大会を10月に控え、社会安定を最優先する胡錦濤指導部にとって大きな打撃となった。尖閣国有化問題で悪化する日中関係がさらに緊迫化するのは必至だ。
日本大使館前での反日デモは国有化決定以降、5日連続。この日は午前9時(日本時間同10時)前から、若者らによる反日デモが始まり、最初は数十人ずつが整然と入れ替わり、「釣魚島は中国のものだ」「日本軍国主義を打倒しろ」「小日本は中国のものだ」などと叫んだが、30分ほどしてデモ隊は大使館前の大通りを占拠。大使館に向けてペットボトルなどを投げ続け、当局のコントロールが利かなくなった。若者が大使館前の木によじ登り、日の丸に火を付けると、デモ隊から大きな歓声が上がった。
公安当局は1000人以上の警官を配置し、警戒に当たった。しかし若者らデモ隊の怒りは予想以上に激しく、武装警察も投入して大使館前に高さ2メートル以上のバリケードを築き、若者らの乱入を阻止。ただ暴徒化する若者らを鎮圧することはなく、過激行為も黙認した。(2012/09/15-13:28)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012091500131