死者、最大32.3万人=従来想定の13倍に-南海トラフ巨大地震・内閣府推計
内閣府は29日、南海トラフ巨大地震による人的被害の推計を公表した。東日本大震災と同じマグニチュード9クラスで、これまで想定していた東海、東南海、南海地震の3連動地震より規模が大きな地震が発生した場合、津波に巻き込まれるなどして、最大で32万3000人が死亡するとした。政府の中央防災会議が2003年にまとめた推計では、3連動地震のケースで死者数は最大2万4700人と予想しており、大震災を教訓に最大クラスの地震を想定した結果、推計死者数は従来の13倍に拡大した。
最悪の死者数が出るとみられるのは、(1)冬の深夜で多くの人が寝静まっている(2)秒速8メートルの風が吹いている(3)東海地方を中心に被害を及ぼすタイプの地震が発生する-などの条件が重なった場合。津波で23万人、建物倒壊で8万2000人、火災で1万人が亡くなる。仮に堤防や水門が地震によって機能しない場合を試算すると、津波による犠牲者はさらに2万3000人増える恐れがある。
ただ、全員が地震後すぐに避難を開始したり、建物の耐震化率を100%にしたりといった最大限の対策を講じれば、犠牲者は6万1000人にまで抑えられるという。
家事などで火を使っていることが多い冬の夕方に地震が発生するケースでは、迅速な避難が難しい深夜より死者数は少なくなるが、揺れや火災により最大で238万6000棟が全壊または焼失する。堤防や水門が機能しないと、さらに1万9000棟の被害が増える。(2012/08/29-17:14)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012082900766
尖閣問題はもはや「棚上げ」できない
2012年08月29日(水)09時00分