食料高騰対応でG20緊急会合 米仏、9月にも招集
2012/8/13 20:42
【ジュネーブ=藤田剛】フランスと米国は13日、世界的な天候異変で穀物など食料価格が上昇している問題への対応を協議するため、20カ国・地域(G20)による緊急会合を招集する準備に入った。ルフォル仏農相が13日発表した声明で明らかにした。会合では価格の上昇に拍車をかける輸出制限措置を実施しないよう生産国に要請する見通しだ。
米農務省が10日発表した8月の穀物需給によると、干ばつの被害で今年収穫するトウモロコシの生産量は6年ぶりの低水準に落ち込む見通し。大豆も収穫減となる。仏農相の声明は「米国におけるトウモロコシと大豆の作柄の悪化は確定した」との見解を示し、さらに状況が悪化する可能性にも言及した。
G20は昨年の農相会合で、農産物の生産や在庫などの情報を共有する新組織として「農業市場情報システム」を設置することで合意。国連食糧農業機関(FAO)に事務局を置き、現在は仏、10月2日からは米が議長国。同システムは食料危機などの緊急時に各国政府の実務担当者を集めて「迅速対応フォーラム」を招集する。
現地報道によると、8月下旬に緊急会合である「迅速対応フォーラム」の日程を調整し、9月中に実際に開催する可能性があるという。
穀物価格の急上昇は下落基調にあった食料全体の価格を押し上げ始めており、FAOが発表した7月の食料価格指数は前月比で6%上昇した。