ページ

2012/01/21

浪江町の採石場  少なくとも49か所で一般住宅の工事に使用される

浪江町の石使用か 福島市新築住宅で高線量
2012年1月21日 15:34
 福島第一原子力発電所事故の計画的避難区域にある福島・浪江町の砕石場の石が各地の工事に使われていた問題で、福島市の新築住宅でも石が使われていた可能性があるとして、県などが20日に再調査した。その結果、室内などで周辺よりも高い放射線量が確認されたという。

 県などによると、問題の石が使われた新築住宅では、住宅周辺の空間線量が一時間当たり0.5マイクロシーベルトに対し、室内では床から1メートルの高さで最も高い場所一時間当たり0.83マイクロシーベルトだった。また、床下のコンクリート部分でも最高で一時間当たり1.95マイクロシーベルトと、周辺よりも線量が高かった。

 県は今後、国と対応を検討する他、問題の石を使った可能性のある家について全て線量を調べるという。




厚生労働省、原発作業員の日常生活での被曝分を合算せず

生活時の被ばく合算せず 原発作業員の健康管理に批判も
 東京電力福島第1原発事故の収束に当たる作業員の放射線被ばく線量管理で、厚生労働省が作業時の被ばくだけを算出し、避難の際や日常生活での被ばく分を合算していないことが21日、分かった。今後本格化する除染作業も同様に合算しない。

 原発、除染とも作業員の線量限度は「5年で100ミリシーベルトかつ1年で50ミリシーベルト」。厚労省は「作業と日常生活では被ばく量低減のための対策が異なるため管理上、分けて考える」と説明する。

 しかし関係者から「事故後は避難時や生活での被ばくも無視できない量。健康上問題になるのはトータルの線量で作業と生活を分けるのはおかしい」と批判も出ている。

2012/01/21 17:38 【共同通信】

S&P 「日本は今の国債の格付けを維持するためにも早急に財政再建に取り組むべき」

“日本は早急に財政再建を”
1月21日 11時34分
アメリカの大手格付け会社「スタンダード・アンド・プアーズ」の国債格付けの責任者がNHKのインタビューに答え、日本は今の国債の格付けを維持するためにも、早急に財政再建に取り組むべきだと警告しました。

大手格付け会社「スタンダード・アンド・プアーズ」は、先週末にフランスなどユーロ圏の9か国の国債を一斉に格下げする異例の対応に踏み切るなど、その動向が市場の注目を集めており、日本国債については去年1月に上から4番目の水準に格下げしています。

「スタンダード・アンド・プアーズ」の国債格付け部門の責任者ジョン・チェンバース氏は、NHKのインタビューに対し、「日本は今後、財政再建のために歳出を減らし、通常の財政状態に戻すことが必要となる」と述べ、日本は今の国債の格付けを維持するためにも早急に財政再建に取り組むべきだと警告しました。

そのうえで、「歳入面での選択肢となる消費税は、徴収しやすく非常に効率的な税制であり、ほかの税金とは違って景気に悪影響を及ぼすことはないと考える」と述べ、消費税の引き上げも含めた議論の行方を見守りたいという考えを示しました。また、格付けを決定する要素の1つとして政治の状況も考慮するとしたうえで、「日本の政治状況はアメリカやヨーロッパと非常によく似ている」と述べ、与野党の対立により、財政再建へ向けた重要な意思決定ができない日本の政治状況に懸念を示しました。

計画的避難区域の採石場、最高で毎時約40μ㏜

東日本大震災:福島第1原発事故 浪江町、最高で40マイクロシーベルト検出 国と県など採石場を現地調査 /福島
 浪江町の砕石を使った二本松市のマンションや福島市の住宅から高放射線量が検出された問題で、国と県は20日、砕石を出荷した浪江町にある双葉工業の採石場を現地調査した。現場には石が山積みになっており、周辺の放射線量などをチェックしたところ、最も高いところで40マイクロシーベルトを記録した。

 調査は午前10時半から始まり、県の担当者や環境省、原子力災害対策本部の職員ら11人が、放射性物質の種類や線量を調べた。

 その結果、屋根のない8カ所に保管された砕石から1メートルの地点で毎時約11~40マイクロシーベルトだった。屋根のある3カ所にあった砕石から1メートルのところでは毎時16~21マイクロシーベルトで、屋根の端の下にあった砕石から1センチの部分では毎時10マイクロシーベルトを検出した。また、33カ所からサンプルとして砕石を採取、県の原子力センターが今後調査し、来週にも分析結果を公表する。

 問題となった砕石は、浪江町のうち計画的避難区域になった地区で原発事故前に採取され、事故後も現地で屋外に置かれていた。県は同区域や警戒区域などにある、ほかの27カ所の採石場について、来週以降、現地調査を実施する。【宗岡敬介】

毎日新聞 2012年1月21日 地方版

先月12日、「もんじゅ」制御棒に原因不明の動作トラブル 保安院の公表遅れる

もんじゅで原因不明トラブル、存廃論議に拍車も
 経済産業省原子力安全・保安院は20日、日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で、制御棒の駆動機構に不具合が生じたとして、同機構に原因究明と再発防止を指示した。

 保安院によると、不具合が生じたのは昨年12月12日。駆動機構19基のうち、1基が動作確認試験で稼働せず、2日後の再試験で動いた。さらに別の1基も動かず、機構は、原因を究明できないとして工場で分解点検する方針。

 公表が遅れた点について保安院は「制御棒がすべて挿入されていた上、機構側が地元で公表していた」と釈明した。もんじゅは現在、原子炉に制御棒が挿入された状態で、安全性に問題はない。しかし、東京電力福島第一原発事故を受けて政府がもんじゅの存廃を含めた原子力政策全般の見直しを進めており、不具合は議論に拍車をかけそうだ。

(2012年1月20日21時57分 読売新聞)