東京電力福島第一原子力発電所の事故直後、米政府が、東京在住の米国人9万人全員を避難させる案を検討していたことが分かった。
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2011/08/17
米側は無人偵察機グローバルホークの情報から原子炉の温度が異常に高いことを把握し、「燃料が既に溶融している」と判断。菅政権が対応を東電任せにしているとみて、「不信感は強烈」な状況だった
米政府、在京米国人9万人の避難を一時検討
東電社員「原子炉建屋の水素爆発は予測できなかった」
東電社員「水素爆発予測せず」 聴取に、想定に甘さ
東京電力福島第1原発事故で、内閣が設けた第三者機関「事故調査・検証委員会」(委員長・畑村洋太郎東大名誉教授)の事情聴取に、東電社員が「原子炉建屋の水素爆発は予測できなかった」と話していることが17日、事故調関係者への取材で分かった。
事故調はこれまでに第1原発の吉田昌郎所長(56)ら多数の東電社員から事情聴取。こうした証言を、事故や被害拡大防止に向けた東電の想定の甘さを示す“証拠”として注目している。
聴取内容は8月に入って各委員に周知されており、今後は年内に取りまとめる中間報告に向け、事情聴取と並行して証言内容の精査もする方針。
事故調関係者によると、3月12日午後に1号機の建屋上部が吹き飛んだ水素爆発について、東電側は「原子炉や格納容器の状況把握に集中するあまり、建屋に水素が充満して爆発する恐れにまで考えが及ばなかった。爆発の予測はできなかった」と証言した。
さらに「2号機と3号機の爆発を防ごうとしたが、建屋の放射線量が高く、作業が行えないまま14日に3号機も爆発した」との証言もあった。
事故調は7月以降、東電社員のほか、経済産業省原子力安全・保安院の担当者らを対象に事情聴取を継続している。
(2011年8月17日)
作業員不足の懸念から同原発での被ばく量を他の原発で働く場合とは別枠にするよう文書で要請
福島事故の被ばく、別枠要請=保安院、作業員不足を懸念-東電側試算、厚労省に提示
福島第1原発事故の収束作業に従事する作業員の被ばく線量限度を厚生労働省が緊急時の特例として250ミリシーベルトに引き上げた後、経済産業省原子力安全・保安院が厚労省に対し、東京電力がまとめた試算を基に、作業員不足の懸念から同原発での被ばく量を他の原発で働く場合とは別枠にするよう文書で要請していたことが28日、分かった。保安院が同日文書を公開した。
全国にある原発の安全確保を名目としているが、保安院が東電側の試算をそのまま引用して被ばく量規制の緩和を求めた形になり、批判が集まりそうだ。
文書は4月1日、厚労省との協議の中で保安院が提出した。この中で、東電がプラントメーカーの試算をまとめた数字を引用し、福島原発での作業で被ばく量が50ミリシーベルト以上の作業員が約1600人、100ミリシーベルト以上が約320人出ると説明した。
さらに、緊急作業終了後も、同原発の事故処理や全国の原発の運用に最大約3500人の技術者が必要と指摘。通常の規制値(年50ミリシーベルト、5年累積100ミリシーベルト)を適用すると事故処理で被ばくした作業員が他の原発の仕事に就けず、1000~2000人が不足するとし、「別枠にしないと、今後の原子力安全管理に重大な弊害を招く恐れがある」と説明した。
一方で、作業員の安全に関しては、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告を引用し、生涯で1シーベルト(1000ミリシーベルト)以下の基準を守ることで担保できるとした。(2011/07/28-17:53)
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http://www.jiji.com/jc/zc?k=201107/2011072800402