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2011/05/15

「燃料は格納容器のクラック(損傷部)から水と一緒に漏れている可能性もある」=吉川栄和・京都大名誉教授(原子炉安全工学)

福島第1原発:空だき状態10時間以上 燃料の溶融速く
2011年5月15日 22時15分 更新:5月15日 23時47分

 東京電力福島第1原発1号機で、地震からわずか16時間後の3月12日早朝には、燃料の大部分が溶け落ちていた可能性が強まった。東電の解析によると、燃料の溶融は従来考えられていた以上の速度で進行。外部から冷却水を入れるため、弁を開いて炉内の圧力を下げる「ベント」作業を始めた時には、炉内は既に水位が燃料の下端を下回る「空だき」状態で、燃料の大部分が溶融していたことになる。今後、ベントの作業や外からの注水のタイミングが適切だったかが問われることになりそうだ。

 東電のこれまでの発表では、福島第1原発で原子炉が空だき状態になったのは2号機(14日)が最初。1号機は空だきになっていたことすら公表されていなかった。今回の解析結果が正しければ、1号機の空だき状態は11日午後7時半ごろから、淡水の注入開始(12日午前5時50分ごろ)まで10時間以上続き、ベント開始はさらに5時間近く後になってからだったことになる。

 小出裕章・京都大原子炉実験所助教は「電源喪失で原子炉が冷やせなくなれば、早い時期に炉心溶融に至ることは想定できていたはずだ。燃料の損傷が限定的だとしてきた東電の説明は完全に誤っていたことになる。データの公表も遅すぎる」と指摘する。

 東電は今回の解析で「圧力容器の損傷は大規模ではない」と説明するが、小出助教は「圧力容器は完全に破損し、溶けた燃料が格納容器の底に穴を開け、原子炉建屋の地下に大量の汚染水が漏れ出す原因になっている」と推定する。


「劣悪な環境ではなく、現時点で、亡くなったことと作業との間に直接の関係はないと考えている」

原発作業員の死因は心筋梗塞 被曝障害の可能性否定
2011年5月15日18時43分

 東京電力は15日、福島第一原子力発電所で作業中に体調不良を訴え、14日に亡くなった60代の男性作業員について、死因は心筋梗塞だった、と発表した。被曝(ひばく)などによる急性障害の可能性は否定されたと見ている。

 男性は協力企業の従業員。14日午前、排水処理のための機材を搬送する作業中に意識を失い、運ばれた病院で亡くなった。男性が当日受けた放射線被曝量は0.17ミリシーベルトで作業での上限(計250ミリシーベルト)を大幅に下回っており、身体には放射性物質の付着もなかったという。

 警察での検視などを終え、15日午後に病院から東電に死亡診断書が届いたという。



3号機で発生した水素ガスが、排気管を逆流して流れ込んだことで起きた可能性がある=東電が見解を発表

4号機爆発、3号機の水素ガス逆流が原因か 東電推定
2011年5月15日20時35分
 東京電力は15日、3月15日に起きた4号機建屋の爆発について、隣の3号機で発生した水素ガスが、排気管を逆流して流れ込んだことで起きた可能性があると発表した。4号機は事故発生時、定期検査で停止中だったため、貯蔵プールで保管されていた使用済み燃料が爆発の原因として疑われていた。

 これまで4号機では、燃料が貯蔵プールの冷却水から露出して空だきになり、化学反応で水素ガスが発生したと疑われていた。

 しかし、プールの水などを分析した結果、東電は燃料に大きな異常はないと判断。3号機で発生した水素ガスが排気管を通じて流れ込んだ可能性が浮上した。

 3号機も水素爆発したが、爆発前に格納容器の損傷を防ぐためベント(排気)が行われた。原子炉内で発生した水素ガスが排気管を通じて3、4号機共用の排気筒から出たとされる。排気管は、排気筒の手前で3号機の排気管と合流しているが逆流防止弁はなく、ここを逆流して4号機に流れた可能性があるという。

 4号機のプールは3月15日早朝、爆発音がした後、建屋の外壁が大きく壊れた。4号機は定期検査中で原子炉内の燃料がすべて貯蔵プールにあった。

浜岡原発を停止する菅首相の判断について、「支持する」は71.2%、「支持しない」は17.3%

浜岡原発停止の首相判断 71.2%が支持
2011年5月15日 20:09
 NNNが13~15日に行った世論調査によると、「中部電力」浜岡原子力発電所(静岡・御前崎市)を停止する菅首相の判断について「支持する」と答えた人が71.2%に達した。

 浜岡原発を停止する菅首相の判断について、「支持する」は71.2%、「支持しない」は17.3%となった。

 また、今後の原子力発電について「徐々に減らしていくべきだ」が64.3%に上り、「今の水準を維持するべきだ」は24.0%にとどまった。「すぐに全て運転を止めるべきだ」は4.6%、「さらに増やしていくべきだ」は1.8%となっている。


政治の風向きで揺れ動く賠償支援。

負担めぐり 攻防1ヵ月 東電・官邸・財務省・銀行 「免責」「財政」絡み合う思惑
 東電賠償支援政府案
 東京電力福島第1原発事故の賠償支援の政府案は、東電の破綻回避を最優先し、新機構によって公的資金を投入できる形をつくって決着した。東電、官邸、財務省、銀行などの思惑が絡み、約1カ月にわたって迷走した協議の舞台裏を追った。
 

東電関係者は「地震の揺れで圧力容器や配管に損傷があったかもしれない」と、津波より前に重要設備が被害を受けていた可能性を認めた。

津波前に重要設備損傷か 福島第1原発1号機、地震の揺れで 建屋で高線量蒸気 耐震指針、再検討も
2011.5.15 02:00
 東京電力福島第1原発1号機の原子炉建屋内で東日本大震災発生当日の3月11日夜、毎時300ミリシーベルト相当の高い放射線量が検出されていたことが14日、東電関係者への取材で分かった。高い線量は原子炉の燃料の放射性物質が大量に漏れていたためとみられる。

 1号機では、津波による電源喪失によって冷却ができなくなり、原子炉圧力容器から高濃度の放射性物質を含む蒸気が漏れたとされていたが、原子炉内の圧力が高まって配管などが破損したと仮定するには、あまりに短時間で建屋内に充満したことになる。東電関係者は「地震の揺れで圧力容器や配管に損傷があったかもしれない」と、津波より前に重要設備が被害を受けていた可能性を認めた。

 第1原発の事故で東電と経済産業省原子力安全・保安院はこれまで、原子炉は揺れに耐えたが、想定外の大きさの津波に襲われたことで電源が失われ、爆発事故に至ったとの見方を示していた。

「躊躇なく人を刺す非情な手口などから、強盗に手慣れた様子がある。営業所の実情を把握し、十分に計画を練った上で襲撃を実行した疑いがある」

6億円強奪事件 現金ありか熟知 手際の良い搬出 内部事情に詳しい人物関与か
2011.5.15 00:34
 東京都立川市の警備会社「日月(にちげつ)警備保障」立川営業所が未明に2人組に襲われ、史上最高額の現金約6億400万円が奪われた事件で、男らは多額の現金が一括で保管されていた金庫室以外は物色せず、小分けにされた現金を数分間で運び出して逃走していたことが14日、捜査関係者への取材で分かった。営業所の駐車場の照明が事件の30分前に消されていたことも判明。警視庁立川署捜査本部は会社の内部事情に詳しい人物が犯行に関与したとの見方を強めている。