東京電力は14日午後7時45分ころ、福島第一原子力発電所2号機で、原子炉内の冷却水が、ほぼ完全に失われ、燃料棒がすべて露出して冷却できない状態になり、地元福島県に緊急事態として通報したと発表した。
水位は回復しつつあるが、空だき状態が続くと燃料棒が溶けだす炉心溶融の懸念がある。隣接する3号機では、この日午前11時過ぎ水素爆発が起こり、建屋の上部が吹き飛んだ。東電社員、陸上自衛隊員ら11人が負傷し、6人が被曝(ひばく)、1人が入院した。
東電の発表によると、2号機は、これまで安定していた炉内の圧力が急激に上昇し、同日午後1時38分、冷却水を循環させるポンプが止まった。作業員が、1、3号機用のポンプを見回った後で、2号機のポンプの燃料がなくなり、停止しているのに気づいた。その後、水位が下がり始め、午後5時17分には燃料棒の露出が始まった。
東電では海水の注入作業を開始したが、水位の低下は止まらず、午後6時22分、燃料全体が完全に露出したという。午後9時20分ごろ、原子炉の弁を開き、水蒸気を格納容器内に逃がすなど対応した結果、午後9時42分には水位が上昇したが、依然、燃料棒が2メートルも露出する危機が続いている。
冷却水が消失し、燃料棒の露出が続くと、高温の燃料が冷やされず、炉内の温度が2000度超まで上昇、燃料が溶けだす恐れがある。建屋が吹き飛んだ1、3号機の水素爆発より深刻な事態で、炉心溶融によって大量の放射性物質が大気中に漏れる可能性もある。冷却材喪失(LOCA)によって炉心溶融を起こした事故は、1979年の米スリーマイル島原発事故などがある。
経済産業省原子力安全・保安院の幹部は同日夜、「核燃料の損傷はない」と語った。
一方、3号機の爆発後、原子炉と格納容器は機能しているが、1号機同様に、炉心溶融の初期段階である燃料損傷が広がっている可能性は高い。
保安院は、半径20キロ圏内にとどまっていた約600人に緊急措置として屋内待機を指示した。同日午後、圏外への避難が始まった。被曝者の有無は不明。
(2011年3月14日23時08分 読売新聞)
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2011/03/14
福島第一原発2号機、燃料棒が一時水面から完全に露出する「空だき状態」に
福島第一2号機、燃料棒が露出…漏出の恐れ
島第1原子力発電所3号機の爆発でけがをした男性自衛官を放射線医学総合研究所が受け入れ。 命に別条はないという
福島第1原発3号機の爆発で被ばくした男性自衛官、放射線医学総合研究所で治療開始
福島第1原子力発電所3号機の爆発でけがをした男性自衛官が、千葉市の放射線医学総合研究所に搬送された。
男性自衛官は、発電所近くで作業をしていたが、14日午前11時すぎ、福島第1原発3号機の水素爆発で飛んできたコンクリート片で片ひざ上の皮膚が裂けるけがをし、病院に搬送された。意識はあるという。
簡易放射線測定を行った結果、一定程度の被ばくが認められたため、内部被ばくの可能性もあるとして、千葉市の放射線医学総合研究所が受け入れを決めた。
自衛官は、ヘリコプターで福島・郡山市の病院を出発し、14日午後8時半すぎ、放医研に到着した。
簡易放射線測定を行った結果、男性自衛官に一定程度の被ばくが認められたが、命に別条はないという。
文科省は、男性の傷から何らかの被ばく物質が体内に入り、内部被ばくの可能性もあるとして、念のため日本で一番、放射線医学の研究を進めている放射線医学総合研究所に搬送し、治療することを決めたという。
男性はヘリコプターで14日午後7時半、福島・郡山にある病院を出発し、14日午後8時半すぎに放医研に到着し、治療が始まっているという。
(03/14 22:48)
イルナー通信 『ドイツZDF放送の記者が、「IAEA国際原子力機関の天野事務局長は、日本の原子力発電所に関する報告の提示において、日本寄りの立場を示している」と非難した』
原発事故で、IAEA事務局長の日本寄りの立場に非難
2011年 3月 14日(月曜日) 17:11
2011年 3月 14日(月曜日) 17:11
ドイツZDF放送の記者が、「IAEA国際原子力機関の天野事務局長は、日本の原子力発電所に関する報告の提示において、日本寄りの立場を示している」と非難しました。
イルナー通信が伝えたところによりますと、ドイツの公共放送・ドイツ第2テレビZDFの記者は、「天野事務局長は、最近の地震の後の日本の原発の状況に関して、批判的で正確な報告や情報の提示を控えている」と述べています。
この記者は、IAEAには、日本の原発で起こった事件について正確な情報を提示するよう日本政府に圧力をかける手段はあるのかとの問いに対して、「IAEAは何の手段も持っておらず、日本が自発的に提示する情報を頼りにするだけだ」と述べました。
この記者はさらに、「IAEAは、2007年にも、日本に対して同様のことを経験した。そのときも、随分時間が経ってから、ごくわずかな事実を含んだ報告がIAEAにもたらされた」と述べました。
福島第一原子力発電所2号機、14日午後5時すぎ、核燃料が水面から露出し始めた
2号機 核燃料が水面から露出
3月14日 19時10分
3月14日 19時10分
原子炉を冷却させる機能がすべて失われた福島第一原子力発電所2号機で、原子炉の水位が急激に下がり、14日午後5時すぎ、核燃料が水面から露出し始めたということです。東京電力では、1号機と3号機で起きたとみられる水素爆発につながるおそれがあるとして、原子炉に海水を入れるなど冷却作業を急いでいます。
福島第一原発の2号機では、蒸気を使って動く装置を用いて水を循環させ、原子炉の冷却を続けてきましたが、周囲の温度が高くなり、冷やすことができなくなりました。
このため東京電力は、すべての冷却機能が失われたとして、午後1時半すぎ、国に対し法律に基づいて「緊急事態」を知らせる、いわゆる「15条通報」を行いました。
東京電力によりますと、その後、原子炉を冷やす水の高さが急激に下がり、午後5時すぎに燃料棒が水面に露出し始めたということです。
このため東京電力では、海水を入れて原子炉を冷やす作業を急ぐとともに、1号機や3号機で起きたとみられる水素爆発が2号機でも発生するおそれがあるとして、原子炉建屋の壁に穴を開けて水素を外に逃がす対策などを検討しています。
14日の東京株式市場,日経平均株価 9,620円49銭で取引終了 下落率6.18%
14日の東京株式市場 11日より633円94銭安い、9,620円49銭で取引終了
地震の影響を受け、14日の東京株式市場の平均株価は、下げ幅が600円を超え、およそ3カ月半ぶりに、1万円を割り込んでの展開となった。
午後の東京株式市場は、寄り付きから一段安で取引が始まった。
東京電力の福島第1原子力発電所3号機で爆発があったとの一報を受け、景気や企業業績に対する影響を懸念した動きが広がった。
これを受けて、平均株価は、午後に下げ幅が600円を超え、一時9,600円を割り込んだ。
終値は、11日より633円94銭安い、9,620円49銭だった。(03/14 17:02)
ストロンチウム90は主に食品や水を通じて体内に入る。摂取すると骨の癌や白血病の原因となるといわれている
炉心溶融で漏出する物質―危険なのはヨウ素、ストロンチウム
2011年 3月 14日 16:35 JST
2011年 3月 14日 16:35 JST
原子力発電所の損壊では、比較的影響の小さい物質から、比較的大きな物資まで、さまざまな放射性物質が漏出する可能性がある。
非営利団体「放射線と公共健康プロジェクト」のジョセフ・マンガノ事務局長によると、ウランを高熱で分裂させる過程で100以上の新たな化学物質ができる。
完全な炉心溶融(メルトダウン)で漏出する物質には、窒素16、トリチウム、クリプトンなど、比較的毒性の低い放射性ガスもある。こうしたガスは軽く、急速に拡散する傾向があり、人体への危険はほとんどないとフロリダ州立大学の原子物理学者、カービィ・ケンパー博士は語った。
東日本(50ヘルツ)と西日本(60ヘルツ)で異なる周波数を調整する変換施設が3カ所しかなく、計100万キロワットしか送電できないため、首都圏で不足する1000万キロワットを満たせない
東日本大震災:東西の電力会社間「電力融通」に限界
14日午後3時のドル/円は82円前半で推移 「海外勢は不透明感のなかで最悪シナリオに基づいて動いている」
東京外為市場・午後3時=ドル82円前半、日銀の追加緩和は織り込み済み
2011年 03月 14日 16:10 JST
2011年 03月 14日 16:10 JST
午後1時25分、福島第一原発2号機、原子炉の冷却機能停止
福島第一2号機 冷却機能失われる
3月14日 15時41分
3月14日 15時41分
経済産業省の原子力安全・保安院によりますと、福島県にある東京電力の福島第一原子力発電所2号機で、原子炉を冷やすために水を循環させる装置など、「冷却させるための機能」が、午後1時25分にすべて失われたことが分かりました。
2号機では、原子炉が入っている格納容器の内部の圧力が、高い状態が続いていることから、今後、格納容器の空気を外部に放出するなどして、安全を確保する方法を検討しています。
11時01分、福島第一原発3号機も水素爆発 半径20キロ以内に屋内待機を指示 第一原発周辺 南寄りの弱い風
3号機建屋も水素爆発=福島第1原発-保安院
経済産業省原子力安全・保安院によると、東京電力福島第1原発3号機の建屋で14日午前11時1分、爆発が起きた。保安院は水素爆発と確認した。(2011/03/14-11:28)